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絵本の楽しみ ②

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昭和47年 こどものせかい より  「みんなげんきです」 絵と文 杉田豊


「こどものせかい」シリーズで出会った絵本に「みんなげんきだよ」という作品があります。杉田豊という世界的に著名なグラフイックデザイナー・イラストレーターの作品で、種になって飛んでいった花の子供たちが、それぞれに根を下ろした場所からお母さんとお父さんにお手紙を送る、というストーリーでした。

灯台のてっぺんや線路の真ん中、ワニの口に中など、思いがけない場所に子供たちは根を下ろしていて「みんなげんき」なのでした。杉田豊の作品はどれも色が鮮やかで配色が美しく、カラーインクのにじみも絶妙で、どれをとってもセンスがよいのです。大学に入学してその「杉田豊」が視覚伝達デザインの教授おをしておられると知り、怖いもの知らずの私は、入学早々早速研究室を訪ねました。
 


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トントンとノックすると、服装も香りもなんだかとってもおしゃれなおじさまが顔を出して、それが杉田先生でした。そして絵本を作りたいという入学したての小娘にてきぱきとアドバイスをくださいました。

「あなた絵画専攻なら、はじめから絵本を描くんじゃなくて、まずは大きな作品を自分の思い通りに描けるようにがんばってみなさい。大きな画面が思い通りに描けるようになれば、絵本の小さな画面は描けるから。」

ということでした。有名な先生だし、上手に追い払われちゃったのかな、と一瞬思いましたが、先生のおっしゃることも一理あるぞ、と思い、そのあとはひそかに絵本の勉強を続けながらも重点は日本画制作に置き、まずは150号の大作を自分の思い通りに描くことに専念したのでした。

しかし、その道のりは遠く、20年以上たった今になっても、未だ達成できないものの、昨年くらいから少しずつ、心に描くイメージと、描き出される画面のギャップが狭まってきたような手応えがありました。それでやっと、自分には絵本を描く資格というか、お許しが出たように思っています。今回の絵本は自分の中では三作目ですが、悔いの残らないような作品に仕上げたいと思っています。 

by akikomoriya | 2011-11-18 21:07 | おしゃべり
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