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つらつら椿

早くも明日は立春。今日は豆まきですね。

我が家の子供が「なんか今日はちがうねぇ。寒いけど、冬の頃と違うねぇ。丸子で梅を見ている日のようだ。」と言って帰ってきました。親ばかですが、丁寧に育ててきた甲斐あり、立春の陽気の変化をちゃんと感じ取ってくれていました。

風は冷たいけど日差しは日に日に眩しくなります。秋は風から、春は光から…ですね。あちらこちらで大雪が報じられ、寒さもこれからさらに強まるかとは思いますが、日の光は着実に春です。

日に日に明るくなり、春が近づいているのに、何故かこの季節、切ないようなちょっと寂しいような気持ちになります。12月の終わりは新しい年を迎える喜びでいっぱいなのに、春は別れの季節だったり、新しい出発の時期でもあるからか…この季節、なんとなしんみりしみじみ、静かに山野を歩くのが好きです。歩きながらこの一年を振り返ったり、心を静めてこれから始まる日々をイメージしたり、春は私にとってそんな季節です。

春先の山野をぶらぶら歩いていると、必ず椿に出会います。冬枯れの木立の中に赤い椿を見つけると、何とも言えず懐かしい気持ちになります。以前、三輪山山麓の「山辺の道」を歩いていたときも、冬枯れの道々、赤い椿が咲いていました。奈良には椿がよく似合います。万葉集にも椿の歌がたくさんあります。

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   紫は
     灰さすものぞ 
        海柘榴市の

    八十の衢(やそのちまた)に
   逢へる子や誰

        万葉集十二巻 3101 作者不詳


椿の灰は紫を染めるときには欠かせないもので、三輪山の麓では椿の市がありました。「海柘榴市」と書いて「つばいち」という地名が今でもあります。「つばいち」は市でもありまた、男女が歌垣を行う恋の舞台でもありました。海柘榴市で出会った、名前も名乗らず去っていったあの子はいったいだあれ?という歌です。


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by akikomoriya | 2012-02-03 18:30
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