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人形の思い出 ②

今日はひな祭りで、簡単なちらし寿司と潮汁でお祝いをしました♪

二世帯で暮らしているので、私にとっては階段を下れば実家なわけで、そこには40年前に母が購入してくれた雛飾りが飾ってあります。小ぶりですが、お内裏様、お雛様、三人官女、五人囃子、右大臣左大臣、泣き上戸、怒り上戸、笑い上戸、の揃った雛壇です。
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雛飾りの中には母が子供の頃飾っていた古い雛具も一緒に飾ってあり、白酒を入れる徳利と高台の菓子皿、雛飾り用のままごとセット?と、ここには写っていませんがふる~いぼんぼりもあり、これらは昭和初期の雛具です。
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ある日の思い出…お雛様が大好きだった私は、その日もひとりで雛段の前に座って人形や品具をいじって遊んでいました。
一番のお気に入りは、三人官女の真ん中の人形でした。最上段にいらっしゃるお雛様も素敵なのですが、幼い私の手に届くところに座っている、三人官女の、さらにその中でも一番年下と思われる真ん中に座っている官女の、その優しいお顔が好きでした。

その日の私は何を考えたか、お人形にお水を飲ませてあげようと思いました。それで、古いままごとセットの牡丹色の器にお水を入れて、三人官女の真ん中のお人形の口元にあてがうと…一瞬にして人形の口紅が溶けて器の水面に赤い色が広がり…お人形の白いお顔の口元が赤く汚れてしまったのです。

お上品な口元は、まるでお行儀の悪い女の子がお口の周りを汚して食べた後のようになってしまい、あわてて拭いたのですが、雛人形のお顔は、胡粉で塗られた繊細なお顔ですから、今度は顎のあたりの光沢がはげてしまい…とんでもないことになってしまいました。恐る恐る母に申し出ると、かなりひどく叱られました。
「こんなお顔にしちゃって、夜に化けて出るよ!」と。
一番気に入っていた三人官女の真ん中のお人形がこんなことになってしまい…夜に雛飾りを見ると、暗闇の中、ぼんぼりの薄明かりに照らされ、何とも奇妙な気持ちになりました。

そうしてお雛様というものは、リカちゃん人形のように、濡れても擦っても構わない人形ではないのだと言うことを、幼い私は思い知ったのでした。
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三人官女の真ん中のお人形は、その後慎重にお顔を拭き取ってもらい、、幸い赤く染まった口の周りは綺麗になったものの、やはり他のお人形より口紅が薄くなり、顎のはげた部分もそのまま。でも私にとっては一番大切なお人形なのです。
by akikomoriya | 2012-03-03 20:19 | おしゃべり
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