人気ブログランキング |

朝顔 つれづれ

秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花

萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝貌の花
万葉集 巻8 1537と1538 山上億良の秋の七草の歌です。

大学在学中のことでした。
人文系統の教室を通りかかったとき
人だかりができていました。

訳の分からぬままその人の流れに紛れ込んでしまった私は
誘導係の人に言われるままに席に着き
何故だかその講義を聴くことになってしまいました。

それは
筑波大学で教鞭を執っておられた
伊藤博先生の
退官記念講義なのでした。

伊藤先生がどれほどの方かも全く分からないまま
暇に任せて拝聴したその講義は
あまりに素晴らしいものでした。

秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花

その一首について
穏やかな笑いを交えながら
臨場感溢れる講義でありました。

万葉集とはかくも奥深く
味わい深いものであるのか…

拍手喝采の嵐と共に講義は終了し
5.7.5.7.7の31文字が繰り広げる世界の美しさに
ただぼう然と酔いしれていた私でした。

ところで
この歌に出てくる「朝顔」は
桔梗のことらしく
私たちの言う「朝顔」ではないのですが
現在の「朝顔」も本来は秋の草花です。


e0240147_20291593.jpg

夏の早朝
朝顔を見ると心が清々しい気持ちになります。
花弁の奥には神秘の世界が広がっているような気持ちになります。
e0240147_2029146.jpg

奈良時代遣唐使によってもたらされ
種は下剤作用の薬として用いられていたようです。
そのころは何と呼ばれていたんでしょうね。

たった一度の朝にだけ開き
後は潔くしぼむ。
昨日開いた花が今朝また開くことは決してない
その潔さが
私は好きです。

by akikomoriya | 2013-09-03 20:51 | おしゃべり
<< SBS学苑祭 大槌町 >>