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静岡市立美術館 「絵本をひらくと」

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静岡市立美術館開館5周年記念「ちひろ美術館コレクション展」にいってまいりました。
赤羽末吉から長新太、海外の作家、そして最後の展示室がいわさきちひろで、かなりの見応え。11月23日までです。今朝も会館と同時に人の山!ぜひぜひぜひにお出かけ下さい。

ちひろの作品は、初期のものは枠の中を丁寧に色塗りするような固い印象がありますが、60年代後半に入り、筆遣いが大胆に、そして、にじみ、ぼかし、洗い直し塗り重ねたり、紙を揉んだりと、とらわれのない生き生きした表現に変化します。

私が通っていたカトリック幼稚園では、毎月「こどものせかい」というカトリック系の読み物が配本されて、ちょうどこの頃のちひろの作品を、リアルタイムで読んでいました。ちひろとの出会いは私の人生ではあまりにも大きく、本当に有り難いことでした。今でもそれらは私の宝物です!

もうひとつ、ちひろの絵との忘れられない思い出は、小学校の高学年くらいだったか、学校から家に帰ってくると、自宅の前の道路に分厚い本が落っこちていたんです!本の角がちょっとつぶれていて、本当に「落っこちた」という状態で、なんと、新品のいわさきちひろ画集でした!
シリーズの配本だったので、多分本屋さんが配達の時に誤って落としちゃったんだと思う・・・
びっくりして母に見せて・・・そのままもらっちゃったんです!
これまた今でも私の宝物!神さま有り難うというか、ごめんなさいというか!

以前、「こどものせかい」を出版している至光社を伺ったとき、あのやわらかな画風は、農夫のような骨太なデッサン力に支えられてのことだ、というお話を聞きました。ちひろの絵は実在感がないとかただのファンタジーだという人もいる。でも、ちひろ風に描く人はいても、ちひろを超えられないのは、確かで力強いデッサンが淡く繊細な色づかいを、しっかりと支えているからだと思います。

離婚、再婚、代議士の妻・・・優しさや温かさだけでなく、寂しさや孤独感を知る人の絵だからこそ、ちひろの描く子どもの瞳は、見る人の心の奥深くまで洗い流してくれるのだと思います。

by akikomoriya | 2015-10-18 12:44 | 絵本
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