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「阿修羅見たよ!」

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修学旅行中の娘から奈良公園の鹿の写真が!
奈良が好きで家族で良く出掛けたけど
娘が奈良公園で転んで手が汚れたとき
それは土じゃなくて
乾燥した鹿のフンだと思うからよく手を洗っておきなね、といったら
大泣きしたこととを覚えています。

生まれたときから娘は興福寺の「阿修羅」に似ているとずっと思っていた。
手足が長くて少年顔。
本人もすっかり阿修羅好きで「阿修羅見たよ~」とご機嫌なメールです。

ところで
この阿修羅をはじめとする多くの仏像が
実は明治の廃仏毀釈でたたき壊されたり
海外に売り飛ばされたりと散々な目に遭い
岡倉天心の生涯掛けた保存運動がなかったら
奈良も京都も今のように仏像を拝観できることはなかった
という事実・・・意外と知らない人も多いのでは?

阿修羅もその例外ではなく
腕を折られて放置されていて
これらを現状に限りなく近い形で修復したのが
岡倉天心に全幅の信頼を置かれた「新納(にいろ)忠之介」でした。
彼が修復した仏像は千体以上はあったと思います。

戦後、敗戦と共に日本人は日本の文化や伝統に背を向けた、
とよく言いますが
実は明治の極端な欧化主義と
神道と政治のこれまた極端な癒着が
飛鳥時代から脈々と受け継がれてきた
信仰の対象であり、美の極みとも言える仏像を
無意味なものとし
愛国心の証として壊してしまったのです。
日本人の古き良き道徳心は
すでにこの時に大きく崩れ始めていたと私は思います。

時代の流れの中で国民全体が盲てしまったというか、集団の妄想というか・・・これほど怖いものはないと思います。

岡倉天心や廃仏毀釈、神仏分離令・・・といった用語だけなら
日本史の授業で習ったけれど
大学でもこういった日本文化の危機と
民間からはじまったその救済活動については
まったく習いませんでした。

奈良には何かとご縁があるのですが
親しくしている静岡ユネスコのお友達が
偶然にもこの新納忠之介の息子と親友で
資料をどっさりもらったことでやっと私も少しだけ知ることができたところ。

日本文化の廃退がはじまってからすでに150年。
もはや手も着けられないほど日本人は日本の心や文化を軽んじて生きるようになってしまったけれど
大切な物を守ろうとする気概は
官ではなく市井から生じると
奈良の仏像を見ると思うのであります♪

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by akikomoriya | 2015-12-04 21:33 | 日本文化
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