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水上悦画集 「静岡生まれ 静岡育ち」

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私が住んでいる団地では、毎月一回、町民による清掃作業があります。
町内会長さんを中心に、落ち葉掃きや草刈り。
それ以外にも個人的に草刈りや剪定をしてくださる方もいらして
お陰様でいつも綺麗な団地です。

昨年末、清掃作業の後、町内会長さんとおしゃべりしていたら
「よかったら読んでね」と
亡くなられた奥様の画集を下さった。
10歳以上年上の絵描きの女性と大恋愛の末
親の反対押し切っての結婚。
小学校の先生をなさりながら、奥様の画業を支えた日々。
最後は介護、そして旅立ちを見送られ・・・
いつもはちきれんばかりの笑顔の町内会長さんです。

色んなロマンスを、いつかゆっくり聞きたいな~!と思いつつ、まだちゃんと聞けていない。

奥様は水上悦先生。
私がここに越してきた時はもうすでにお具合が悪く
画家として、教師として、精力的にご活躍の頃は存じ上げないのだけれど
色んな方々に「あの団地は悦先生のいらっしゃるところね」と言われ
ご活躍ぶりがうかがわれました。

以前、出版されたものを昨春復刻版として再販した画集です。
静岡にたくさん店舗をお持ちの「SANADA屋」の真田さんが、出版してくださっています。

「静岡生まれ 静岡育ち」
というその画集は
静岡という町がどんなふうに戦争に巻き込まれ
皆、真剣に戦い、飢えを忍び
そして戦火を逃げまどい
敗戦を迎えたか・・・

その様子が40ページにわたり
克明に絵と文章で綴られています。
今、繁華街としてにぎわう常盤町や青葉通り、安倍川河川敷の惨憺たる様子は
父やお年寄りの方からも聞いていましたが
画集の中では駅南の中田や馬淵の火の海や
機銃掃射が降りそそぐ生々しい様子、まさに生死を分けた状況が
ありのままに描かれていました。

あれから70年。
戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事、などという政治家や
徴兵をま逃れないよう
極刑なり無期懲役なりを用意するという方向も考えられると口にする政治家
日本が米国の51番目の州になることを仮定しながら話をする政治家・・・
驚くような言葉が
当たり前のように飛び交い
紙面で大きく取り上げられることもなく日々流れてゆく・・・

復刻に踏み切った方々の思いが伝わります。

こんな目にあって
命からがら生き残って
それでも「私をを育ててくれた静岡さん ありがとう」という言葉で始まる画集に
心がじんとなりました。

そういえば、大槌町の絵本を取材していた時
あれだけの被害にあったにもかかわらず
「おおつちに生まれてよかったって思える強くて優しい子を育てていきたい」
というおおつち保育園の園長さんの言葉がありました。

その言葉に本当にびっくりしたけれど
私がが今住んでいる静岡も
焼け野原になったところから
静岡を大切に思う人々の手によって
こうして復興されたんだなと思ったりして・・・

天災はま逃れることはできないにしても
人災は避けることは必ずできると確信しています。
それが自分の国であってもなくても!

今日はなんとなく
この本をご紹介したくなりました。
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by akikomoriya | 2016-03-06 18:56 | 平和な世界を求めて
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