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ジャポニスム ふたたび18話


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久々の投稿です。皆さまお元気でお過ごしでしょうか?
昨日21日 静岡新聞朝刊の「ジャポニスムふたたび」です。
今回はアニメ画の話。
本当は自筆の美少女戦士のアニメキャラを挿絵に使いたかったんですが
夫から「ちょっと待った~」が掛かりやめときました・・・

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ジャポニスムふたたび
   
「世界を救うか ”美少女戦士”」     日本画家 森谷明子

マンガ・アニメ・オタク・カワイイは今や世界の共通語である。先日、静岡大学の留学生たちに留学のきっかけを問うてみたところ、20人近くいた学生の約半数が、アニメや漫画だと答えた。ドイツから来た女生徒は、美少女戦士セーラームーンのお決まりのポーズ「月に代わっておしおきよ!」を見せてくれて、ドイツの自宅にはコスプレもあるとのことだった。
 そのアニメや漫画はすでに業界の枠を超え、アマチュアでも自分の描いたキャラクターをインターネット上に自由に投稿し発表できる。ここ数年、こういったキャラクターが海外に向けて意外な展開を見せている。
例えば、反日感情の表れのひとつとして「日本鬼子」という言葉がある。中国語で極悪非道、悪鬼の日本人といったところである。しかしこの「日本鬼子」を日本人がキャラクター化し、角が生えた色白、艶髪の美少女剣士としてネット上に登場させた。敵意を笑顔で返す趣向である。
また、IS(イスラム過激派組織)に対し、やはりアマチュアの間でISIS(アイシス)ちゃんというこれまた愛くるしいキャラクターが登場した。黒装束のISISちゃんは、緑の髪と緑の瞳、暴力が大嫌い、握ったナイフはメロンを切るためという設定。ネットで「ISIS」と検索すると、可愛いISISちゃんが大量に出てきて、過激派組織へのアクセスを阻んでいる。
イスラム過激派をキャラクター化するとはあまりに節操がない、という批判の声もあるが、ISISちゃんの真のねらいは、世界を震撼させる脅威を笑いで減退させることにある。
合気道では敵の攻撃を丸くかわして相手の敵意を鎮めさせる。敵意をもって敵意を鎮めることは確かに不可能である。日本の美少女戦士たちは、本当に世界を救うかもしれない。
 


by akikomoriya | 2016-11-22 21:30 | ジャポニスムふたたび
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