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ジャポニスムふたたび 51話 叶わぬ元老の夢 令和の時代こそ

暑い暑いと言いつつも、朝夕すっかり涼しくなりました。
来年も再来年も、この先ずっとこんなに熱いのでしょうか・・・
大変なことであります・・・
地球の悲鳴をよそに
人間社会は呑気に小競り合いを繰り返す日々でございます。
紀元前から進歩しない面々に、さらなる進化を求めます・・・
では8月26日朝刊「ジャポニスムふたたび」です♪

「叶わぬ元老の夢 令和の時代こそ」      森谷明子
 ユネスコ(国連教育文化科学機関)の主眼は、お互いの文化を理解することで平和を実現しようとする取り組みである。
 自国を守るための軍備増強と同盟国の結束が、紀元前からいつの時代でも行われてきた取り組みであるとしたら、第二次世界大戦の反省から提唱されたこの「文化の理解で平和を実現」という発想は、人類にとってかなり画期的な試みである。
 しかし、日本が戦前軍国化に傾倒する真っただ中で、すでにそうした理念を提唱していた人物がいる。激動する大正昭和期の政治を指南し続けた最後の元老西園寺公望である。晩年は静岡市清水区興津の「坐漁荘」に居を構えたこともあり静岡にも縁が深い。
 平和外交で知られる西園寺公望は、「文化の国日本」を世界に示す重要性を知り、「ジャポニスム」を積極的に推し進めた人物でもあった。「日本は強い国でなくていい、世界から尊敬される国になるべきだ」という言葉には、彼が理想とする日本の姿が端的に表現されている。
 しかしながら、その志とは逆に日本は「文化の国」ではなく「強い国」に向かって舵を切ることになった。
 さて、この夏休みも静岡ユネスコ協会では、小学生を対象としたユネスコ絵画展を企画募集している。名所旧跡や家族の思い出など、それぞれが大切にしているふるさとの景色を一枚の絵にすることで、守るべき風景を再認識してもらいたいと願い、今年で22回目の開催となる。
 今自分が住んでいる街の価値を知りそれを伝える。また逆に、誰かにとってかけがえのない風景を、自分事として守ってあげられるよう行動する。そうした文化に対する深い認識を持った子どもたちが、静岡の街から多く育つよう願っている。
「文化で平和」。叶わなかった興津元老の夢も、令和の御代にこそ実現してほしいと思う。
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by akikomoriya | 2019-08-27 10:21 | ジャポニスムふたたび
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