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ジャポニスムふたたび 63話「光溢れる 日出る国」


少しずつ秋の気配を感じるようになりました。
日中は暑くても、立秋過ぎると朝夕は秋の風ですね。
なかなか収まらないコロナですが
今日は免疫力アップの為にも、お日様を拝む、という行為をについて書いてみました♬
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光溢れる日出る国         

 

小泉八雲の手記の中に、島根県松江の漁村で体験した日の出の情景がある。                        

 八雲によれば、村に黄金色の日が昇る瞬間、あちらからもこちらからも、まるで一斉射撃のようなパンパンという音が響くのだいう。川岸から、舟の上から、ひっきりなしに鳴り響くそれは、日が昇る方向に向かって、村人たちが柏手を打つ音であった。

 日の出を拝むという風習は、現代でも元旦の風物詩として全国各地に残っている。しかし、ひと頃前の日本では、元旦のみならず、朝な夕なと太陽を拝む習慣があったらしい。それが元旦にだけ残り「初日の出を拝む」になったと思われる。

 世界の各地には、太陽を尊び感謝する土着の儀式が多く存在し、太陽を神聖視する行為は決して珍しいことではない。しかしながら、日本人と太陽との関係は際立って深いものがある。「ヒメ」は「日女」、「ヒコ」は「日子」に由来し、日神の末裔を意味する。「日本」という国名はもとより、「日向」「日立」「日高」「日下」など「日」の付く地名は数知れず、古代集落の多くは、日を拝むにふさわしい風光明媚な場所に築かれているという。

 日本人と太陽の近しい関係はおのず作品にもにじみ出る。19世紀のジャポニスムでは、日本は「光溢れる日出る国」ともてはやされ、日本の芸術から醸し出される明るさや清浄感は、西洋人の心を惹きつけた。日本の芸術特有の眩しさに魅了され、特にゴッホはそのイメージをもとに南仏に移り住み、輝く太陽やヒマワリを描いている。

ところで、現代医学では、うつ病患者に対して朝15分間の日光浴を勧めている。それにより、脳の中で活力のもととなる物質「セロトニン」が生み出されるというのだ。ひとり一人が朝な夕なと太陽に真向かい感謝を捧げ、活力や清々しさを頂きなおす。何かと不安が蔓延する昨今、「光溢れる日出る国」の古くからの習慣を、有効に活用できたらと思う。


by akikomoriya | 2020-08-31 21:03 | ジャポニスムふたたび
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