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カテゴリ:日本画( 59 )

久隅守景

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七月に頂いたほおずき市のほおずきが、すっかり朽ちまして、これもまた絵になるな~と眺めております。季節の移り変わりは本当に早い…

夏から取り組んできた絵本制作がなんとか仕上がってきて
残りあと一枚になりました。
絵がうまくいかないとこの世の終わりみたいな気分になる…
逆にうまくいくと家族中に見せて歩いてバカみたい…
情緒不安定な私に付き合ってくれて、家族ってホント有難い…

今朝の日曜美術館は、久隅守景という江戸時代の絵師でした。今、サントリー美術館で開催中です。卒業論文でも扱って、私のお気に入りの画家です。
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好きなものを描くというのは、今では当たり前すぎる事柄ですが、江戸時代、それ以前もずっと、絵師たちは時の権力者によって擁護される代わりに、権力者の気に入るような作品を描かなければいけませんでした。それに逆らえば切腹!静岡浅間神社の天井絵を描いた狩野寛信など、若さゆえの激しさか、幕府に逆らい切腹しています。

そんな中、狩野探幽の一番弟子でありながら、謎の破門で、漂泊の絵師となった久隅守景は、破門後、おそらくは本当に自分が描きたかった風景を描きはじめます。
のどかな田園、人々の気ままなくらし、人目も気にしない家族団らんの夕涼み…

人々のおしゃびりが聞こえてきそうな愉快さ、長閑さ。いいなぁ~・・・

あと少し、頑張って、仕上がったら見に行きたいな!都立美術館のモネ展とあわせてはしごしよう…あと少し、頑張れる、頑張ろう…
補足ですが、日曜美術館は来週日曜日夜8時から再放送があります。興味のある方は是非ご覧くださいませ♪

では来週も
世界中どこにいても誰にとっても
夢と希望のあふれる日々でありますように!

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by akikomoriya | 2015-10-28 14:23 | 日本画

襖絵の花に蝶が止まる

以前、島田市大草にある古民家の襖絵を見に行ったことがありますが、そこには南画の大家「直原玉青」の水墨画が描かれています。
この襖絵にはちょっとした逸話があって、大阪から有名な絵描きが来るというので、SBSのカメラが入って制作風景を撮影していた時のこと、・・・画家が描いているそばに外から蝶が舞い込んで・・・描かれていた梅の花に、まさに「花から花へ」の歌のごとく、まるで花の芯に蜜を求めるように、本物の蝶が花から花へと止まったのです。奇跡のような一瞬の映像は、その年のJNN映像大賞を受賞し、古民家でその様子を見せてもらいました。

絵に命を吹き込むという摩訶不思議。小泉八雲の怪談の中にそんな話があったなと思いますが、平成の現代に、こんな不思議があるとは・・・とビックリしました。

そんな話を高校生にすると、みんな真剣に取り組んでくれます。一学期の最後はガラスのデッサンで、写真とも見まごうようなリアルな表現に挑戦しますが、二学期は感じたままの感動と、生きている事への驚きを線に託して猫じゃらしを水墨画で描きます。

筆の抑揚、濃淡、勢い、呼吸、間・・・様々な要因が揃って、線に命が吹き込まれる。

西洋と日本のものの見方考え方、表現しようとする目的は、何もかもが真逆でした。二つの文化が出会い、今に至る不思議を味わいながら、日本人らしい思考というものを見直してもらえたらいいなと思います。
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by akikomoriya | 2015-10-24 14:31 | 日本画

春信一番! 写楽二番!

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今日は静かな雨が降っております。

ご紹介しようと思いつつすっかり遅くなりましたが
静岡市立美術館で催している
「春信一番! 写楽二番!」が
この連休で終了します。

テーマや作家別の展示はよくありますが
今回は浮世絵発祥に繋がる版画から
錦絵といわれる多色刷り
春信の錦絵~歌麿、写楽と言った大首絵(歌舞伎画)
北斎、広重の風景画まで
浮世絵の全体像を見ることができます。

なかなか気の利いた企画です♪

個人的には日本画でもよく使う「キラ」という雲母の絵の具が
浮世絵の背景にも使われていてビックリ!
キラはよく使うので。

あと驚いたのが
春信の作品に現代で言う「エンボス加工」が施してあった!
江戸時代ってほんとおしゃれな時代です・・・

そしてよく言われることですが
一本一本の髪の毛に対する
神業とも言える彫り師の技術
髪より細いんじゃないかとすら思わせるほど・・・

照明による退色を配慮してか
館内かなり薄暗くなっております。
視力のお悪い方お眼鏡お忘れ無く!

静岡の後は
アベノハルカスに行くそうです。
関西方面の方も是非!

by akikomoriya | 2015-09-16 17:42 | 日本画

羽鳥の森の山桜


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何年か前のこと
いつもお世話になっている東京銀座4丁目のあかね画廊で個展をさせていただき
最終日の最後のお客様が
浅草の画商さんだった。
老人ホームの玄関ホールに掛ける絵を探しているんだけどということで
その時非売品として展示していた山桜の襖絵をとても気に入ってくださった。

後日連絡があり
富士山と山桜の160号の作品を注文してくださる。

それで
どこの老人ホームなんですかと聞くと
静岡というのでびっくり
それで
静岡のどこでしょうと聞くと
羽鳥、とおっしゃる。

え?羽鳥?それ私の故郷ですけど!
羽鳥のどこです?

よくよく聞いてみると
森谷家代々のお墓を守ってくださっている菩提寺(洞慶院)のふもとだった!
これにはびっくり!

老人ホームに無事絵を納品して
老人ホームの皆さんもとても喜んでくださり
以来毎年敬老の集いには
入所されている方々のお作品の講評をしに伺うようになっています。
で、今日も行ってまいりました。
「羽鳥の森」というホームで
施設長さんもスタッフの方もホントアットホームで
和やかそのもの!
喜寿、米寿、白寿そして百歳以上の皆様の長寿を一緒に祝わせていただき
毎年ほんとに有り難い・・・

後から分かったことだけど
羽鳥は明治になるまで
山桜の名所だったとのこと。
洞慶院のすぐ近くに今は廃寺になってしまった「建穂寺」という古いお寺があり
門前には京都から送られた山桜の並木があったとか。
浅間神社のお祭りには建穂寺から稚児舞行列が出て
それはそれは壮大なお祭りだったと。

老人ホームに山桜を納品したご縁で
浅間神社にもこの春山桜を奉納させていただくことができ
ご縁の不思議を思い知る。

そういえば
画商さんが目を留めてくれた山桜の襖絵は
両親のために親孝行で描いたものでした。
森谷の両親のために描いた山桜が
回り回って色んなところに広がって・・・
今年は11月に山桜の絵本に挿絵をする仕事もあります。

山桜・・・本当に不思議・・・
桜には神さまが宿っているとは言うけれど・・・
有り難くもったいないご縁です!






by akikomoriya | 2015-09-13 19:32 | 日本画

屏風の撮影

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先月のことですが
静岡浅間神社に奉納した一双の屏風の撮影があり
今日はその試し刷りができてきました。
当日は
文化財専門のカメラマンと禰宜さんとで半日がかりの作業でした。
金が使ってあるので光の反射が難しく
板戸を付けたり外したり、屏風を立てたり開いたり・・・で
皆さん本当に一生懸命やってくださり申し訳ないくらいでした。

そしてその撮影中
雨の中でずっと外から立って眺めている人がいる。
随分長いこと見ておられ
しばらくして「握手してもらえますか?」と話しかけてきて何だろと思ったら
「今朝ね、目が覚めたら急にお浅間さんに行きたくなってね
なんだか呼ばれてる気がしてね
分からないまま来てみたら
この桜に会えたのよ。
いつもは見られない場所でしょ。
私ホントに有り難くって。
私ね16年前に末期癌を宣告されて
それでもこうして生きていられて有り難くてね
お浅間さんのお陰だと思ってるの
ホント有り難くってね
いい先生にも巡り会えてね
主人にもホント助けてもらってね
ホント有り難くってね
今日もここに来られてホント有り難くってね・・・」

・・・というお話しを
私の手を握りながら目をキラキラさせてお話し下さった。

ほんの数分間のことだったのに
「有り難くってね、有り難くってね」を30回くらいいったんじゃないかと思う。

これだけ感謝し続けていたら
おのず奇跡も起こるな~と感心してしまった。

こちらこそ
雨の中見に来てくれて本当に本当に有り難うございます。

この秋は山桜の絵本の締め切りもあり
今年は山桜ではじまって山桜で終わるな~としみじみ・・・

色々な人にご縁を頂き
色々な人に助けてもらって励ましてもらって
ひとつひとつ有り難く・・・もったいない・・・




by akikomoriya | 2015-09-05 13:58 | 日本画

上高地の思い出

今まで見た風景の中で、一番美しいものは…?と聞かれたら、迷わず「上高地」と答えます。

穂高から流れる梓川のほとり、この世のものとは思えぬ美しさ…

上高地には今までに4回行ったことがあって、
1回目はなんと…夢でした。デジャヴーってやつです。
高校2年生の6月でした。…夢の中で、林を抜けるとそこには、えも言われぬほどの美しい清流が流れていました。さらさらさらさらと流れる透明な水。あまりの美しさに、その夢が覚める時、「私はこの夢が覚めても絶対この風景を忘れない…忘れない…」と、ほとんど「土曜日の実験室」みたいな気分で目ざめたことを覚えています。

そしてその一ヶ月後、美術部の合宿で上高地に行きました。バスを降りるとき、バスガイドさんが「そこの林を抜けると梓川があります」といいました。…これは…?夢で見たあの場所!!かなり興奮して梓川と穂高を仰ぎ見た私でした。

その後、社会人になって、芸術科のある高校に勤務し、高校時代の部活の顧問で担任でもあった先生のもとで働くようになり、再び合宿で上高地を訪れたのが3回目。

これはその時の写真です。20年ほど前の私でございます~♪梓川にかかる「河童橋」♪この写真は自分の中でかなり大切な一枚です。   
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ここまでは以前のブログでもお話しした記憶があるのですが
今日は続きです♪
顧問で担任だった中西先生は、日展に出品している日本画家でもありました。アトリエに連れて行ってもらい、日本画の絵の具を触らせてもらって、「日本画をやってみたい!」と決意できたのは中西先生のお陰でした。就職までお世話してもらい、一生の宝物となる風景に出会わせてくれて・・・。人生の恩人であるにもかかわらず、私は先生のことはずっと「たぬき」だと思っていて、お腹が丸いとか「たぬきに似てますよねえ」とかかなり言いたいことばっかり言っていたと思う。                                      

結婚して十数年があっという間に経ち、何年か前の夏、磐田に行ったとき、「ちぐさ」というギャラリー喫茶にふいに寄ったら、なんと中西先生の個展をやっていた。先生は山が好きで山ばかり描いていたけど、その時もほとんど山の絵だった。絵を見ている内にこれも偶然に、先生がご家族と一緒に会場に現れた。ビックリ!でももっとビックリしたのは、先生は以前のようではなく、痩せこけたたぬきになっていた。その様子からもう長くはないのだとわかって、最後に言葉に詰まって、8月に同窓会の予定があったので、「8月にまたお会いできますよね」と言ったら、「どうだかな~」みたいなことをおっしゃって、その1ヶ月くらい後だったか、先生は亡くなった。棺の中の先生は、さらに痩せて見る影もなかった。                                      

ところで、私は味噌が好きでやたら味にはこだわるんだけど、それはここ数年のこと。気付いたら味噌好きになっていた。あと、お茶にもやたらこだわって、こだわる内に急須ばっかりやたら増えた。先日、はっと気が付いたんだけど、中西先生のアトリエに行ったとき、「俺は味噌にはうるさいだ」と言って味噌焼を出してくれたことと、棚に急須をコレクションしていたことを思い出しなんだかビックリした。                     とりとめもなくなってしまったけれど、夏になると穂高を思い出す。さらさら流れる清流と、高山植物の色とりどりの花々。それで今自分が日本画を描いていられることを有り難く思い、中西先生に心から有り難うって思う。

今日は長くなってしまいました。ここまで読んでくださって有り難うございます。    

by akikomoriya | 2015-08-17 20:34 | 日本画

県立美術館 指導者向け講座


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日頃お世話になっております
浅草の画商さんから
「ほおずき市」のほおずきと風鈴が届きました♪

毎年義理堅く贈って下さり有り難い・・・
「縁起物だからね~」ととても気さくな方♪
この夏も元気に頑張るぞ~♪

ところで
毎年行っている
静岡県立美術館の講座ですが
今年の講座は一般向けではなく
小・中・高の教員対象の講座になります。
8月13日日曜日午後1時~3時です。

内容は「水墨画」で
墨と筆を柄って猫じゃらしを描いてみたいと思っています。

美術の教員の方
小学校の先生など
ぜひご参加下さい。

様々な線の引き方から
デフォルメまで
時間の許す限りやってみたいと思います。
二学期の授業ですぐに使える形でご用意したいと思っています。



西洋の人々は対象を「立体」として捉えますので
影と光を描き写すことで
見る人の目の錯覚によって
あたかも紙の上に本物が実在しているようにみせます。
まずは見えたとおり本物そっくりが基本です。
描き手はどう見えているかを根気よく追究します。

一方東洋のとらえ方というのは
本物そっくりの描写と言うよりは
書道と同じように
そこに何らかの「気」が流れているかが大事。
見ることを通じて刻々と息づいている命を感じとり
感じたままに表現してゆくので
結果はここに違います。

見える物を忠実に再現し
万人が共有できる形で表現するのか
見えない物を感じとり
個々のとらえ方を個々に表現するのか

まさに東洋と西洋は対極です。

これに「デフォルメ」の概念を加えると
さらに個々の感受性が重要になってきて
日本独自の表現になってきます。

水墨画は面白い!

口で言うとややこしいですが
やってみるとすぐに分かります。
そして日本人の感性っていいなって思ってもらえたら嬉しいです♪

一般の方で体験してみたい方は
SBS学苑日本画講座でも体験できます。
短期でのお申し込みでどうぞ♪

by akikomoriya | 2015-07-18 08:47 | 日本画

光明遍照

今日は八十八夜
清々しい茶摘み美よりの空が広がっております。

この晴れやかな朝に
富士山の絵がお嫁入りいたしました。
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タイトルは
「光明遍照」高天原のイメージで描きました。
全面、極細の金の砂子を撒いて
透明感ある明るい金色なのですが
上手く写真に撮れなくて残念!

お嫁入り先で長く愛されますように。
また
たくさんの幸運を呼び込むお手伝いができますように!

今日は長男が帰省します。
「疲れたから帰る」と電話でポツリ。

1ヶ月よく頑張ったね~♪

「あんたの帰りを楽しみにしているよ!」
といったら
「えー」と言われる。
じゃ楽しみにしてないから、気をつけてきてねと言う。

私の質問攻めになるのが嫌なんでしょ。
わかってるよ~(>_<)

by akikomoriya | 2015-05-02 14:02 | 日本画

浅間神社大拝殿

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日頃は撮影禁止の浅間神社大拝殿ですが
先日の屏風奉納報告祭では
特別に撮影させていただきました。

お友達が綺麗にとって下さり本当に有り難いです♪

ご祈祷などお申し込みしますと
大拝殿には入れますが
外からのぞいてもちらっと見えます♪

またふたつまとめて展示できる機会を作りたいと思います♪

by akikomoriya | 2015-03-06 21:55 | 日本画

光明遍照

今回の浅間神社奉納のために
いくつもいくつも小品を描きまして
画廊で出しておりました富士山の小品は
みな大屏風に繋がる子どもたちでした。

繊細な表現や淡い色づかいは小品ではいいのですが
大画面となり神社という場に置かれるとなると…
しかもガラスやアクリルの覆いなしで日々過ごすことを考えますと…
技法としてはより単純で丈夫な技法を
色づかいとしては神社らしくやはり朝のイメージで
制作いたしました。

でも
小品だからこそ成功しているものもあり
これは特にお気に入り!
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タイトルは「光明遍照」。

私の尊敬する89歳になる方が
よく「この世界は神づくし 光しかないんだよ」と言われます。
そしてもうひとつよく口にされるのが
「永遠の命の今を生きる」。
この絵はそのイメージで描きました。

「永遠の命の今を生きる」
いつもにこにこ穏やかなおばあちゃんなのに
そう語られる口調はものすごい迫力があります。
「永遠の命の今を生きる」
この言葉が私が今最も大切にしている言葉です。

by akikomoriya | 2015-01-26 12:17 | 日本画