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至誠通神

しばらく展示会準備で慌ただしく、風邪をひいてくたくたしておりましたが、今日の夕方からなんとか回復いたしました。くたくた寝ているうちに、夫が夕食にカレーを作ってくれていて有り難い限り…♪

今日は息子が学校で卒業アルバムをもらってきました。ペラペラめくっているうちに、先生方からのたくさんの「贈る言葉」の中で「至誠通天」という言葉をみつけました。それで、「おっ」と思いました。

実は、母方の実家の和室に、これと似ている言葉で「至誠通神」という書が掛けてあります。母が子供の頃からず~っと掛けてある書だそうで、多分亡くなった祖父がこの言葉を好んでいたのだと思います。祖父はそういう人でしたから。

ゆったりと勢いのある墨筆で書かれたその書は、すでに紙も茶色に古びて、見ているだけで何かしら厳かな雰囲気がありました。
ある日、「何て読むの?」と母に聞き、その意味を教えてもらったとき、特別な威厳を持って、幼い私の心に鳴り響いたことをいまでも覚えています。
その母もまたこの言葉がよっぽど気に入っているらしく、新築した和室にも友人に書いてもらったという「至誠通神」の書が掛けてあります。

子供の頃から何気なく見てきたこの言葉に、自分はどれだけ救われてきたかな、と思います。

誤解の嵐の中に独り立たされた、まさに四面楚歌の雪辱を、人生で何度味わったでしょう。言い訳すればするほどその言葉も空しく、所詮人はひとりなのだと、何度泣いたことでしょう。

けれど「至誠通神」という言葉はいつも心のどこかで私を励ましてくれていました。

外に向かっては自分の周りにいる人に誠実であること。内に向かっては、いつもどんなときも自分の心の中を客観的に見つめて、極力誠実に、自分の想いと言葉と行動を整えてゆくこと。

…ただそれだけに徹して生きていれば、一時の不遇や不条理もやがては幸運に転じ、なあ~んだ神様はぜ~んぶお見通しだったんだな~と、思えることが増えました。一時の不遇は具体的には10年続くこともあります。20年続くこともあります。でも神様のスパンはゆったり大らかであることもよく分かってきました。
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「言霊」という考え方があります。尊い言葉からは、表記された文字そのものから何らかのパワーが出ているように思います。「至誠通神」という言葉が祖父母の家に掛けてあって、本当に有り難かったと、最近しみじみ思います。

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by akikomoriya | 2012-03-31 01:29 | おしゃべり

西行と桜 書画の楽しみ屏風展 ④


古今東西の宗教はどれも「我」を取り去り「神」や「仏」といった絶対的な存在とひとつになることを目的にしています。ヨガの教えも老子もキリストもみ~んなそれを目指しています。…しかしそれがなかなか!座禅をしたり、念仏を唱え続けたり、愛の行為を行ったり…と方法は様々ですが、「我」を取り去るのはなかなかで難しい!

そして日本人の場合どのようにしてそのやっかいな「我」を取り去っってきたかというと…目に見えて美しい花や植物、水の流れや風…といった自然の風物と心をひとつに合わせることです。自然の素晴らしさに、心奪われ、見て見て見入って、我を忘れるほどに、時を忘れるほどに、美しさに感銘したときこそ、「我」はすでになくなっているというのが日本流。

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滝に当たったり、断食したりの苦行に比べれべ、まさに「究極の易行道」というべきものですが、これほどどんな人にもすんなりと入ってゆける悟りの道は他に無いように思います。

桜を追い求め、桜を通して悟りに至った西行は、美を志す日本人の憧れで有り続け、それはこの先も変わることはないでしょう♪
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我を忘れ、時を忘れ花に見入る…簡単なようでなかなかできないもの。心が透明で、まっさらでなければ、花の美しさを本当に受け止めることは出来ないのですね。
年ごとに、春を迎えるごとに、去年よりももっと桜を美しく感じることが出来る自分になっていたいものです♪

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by akikomoriya | 2012-03-29 22:27 | 日本画

西行と桜 書画の楽しみ屏風展 ③

今日は穏やかな一日でした。なかなか風は冷たいものの、あちらもこちらも春の花がどんどん咲き始めています。
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今日も展示会場に顔を出しました。園内も椿が満開♪ いろんな方が来てくださり、本当に有りがたい限り…。

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230首は有るという西行の桜の歌で、もっとも有名なのがとにかくこれ!みなさんまず初めにこの歌を見つけて納得されます。
「願わくは 花の下にて 春死なん その如月の 望月の頃」
その歌の通りに、旧暦の二月、満開の桜と満月に見取られて他界した西行の死を、当時の人々は驚きを持って讃えたといいます。


一見、死を間近にした人が歌った歌のようにも思えますが、実はこの歌は晩年のものではなく、比較的若い頃に歌われたもののようです。そしてその若い日の志の通り、自らの死を成就させたということは、その間の西行の生き様、有りようが、いかに真摯であったかを物語ります。

西行の桜の歌はどれも、浮かれた恋を桜に託して歌ったものなどではなく、人としての悟り、ひとつの到達点を、桜を通して求め、それを体現しているように私は思います。


「夢は叶う」「人生は思った通りになる」というプラス思考的な生き方が最近よく語られるようになりました。スポーツ選手や著名な方々がそういった事を語ってくださることは、社会によい影響を与えます。そしてさらに一歩すすめて、「死」というものもまた、自らが願ったとおりに、自らの美学に従って、演出できるのだと言うことを、西行は教えてくれているように思います。人生のみならず、死さえも、本来、自分自身の日々の想念行為の蓄積によって、導かれてゆくのかもしれません。

いつの日か、私の身の上にも死が訪れる…たとえ病室で管だらけになって死を迎えるとしても、身辺のすべての人々に最後まで感謝の気持ちを表しながら、人生のすべてをよい経験だったとみなして死んでゆきたいと思います。

西行の生き様、死に様は、その後の日本文化に多大な影響を与えます。
芭蕉を奥の細道へと誘ったのは、「道祖神の招き」というよりは西行への憧れであったように思うのですが、どうでしょうね…。

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by akikomoriya | 2012-03-27 21:50 | 日本画

西行と桜 書画の楽しみ屏風展 ②

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静岡新聞朝刊に椿の里での「西行と桜」が掲載されました♪
週末は思いがけずたくさんのお客様が見えてくださり、心よりお礼申し上げます。
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椿の里の駐車場につくしがありました。ムーミンの「ニョロニョロ」みたいですね~♪背景の緑はカラスノエンドウですね。春ですね~♪
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囲炉裏端のお席で椿弁当~♪

ひと頃前までは、書と画は様々な場面でひとつの空間を演出してきました。絵巻物、襖、屏風、扇、器…美術品と生活用品との境界が極めて曖昧なまま、生活の中で楽しまれてきた「書と画」。それが戦後、画は額縁に入れられ、書は書展でのみ発表されるようになりました。

絵を額縁から解放し、書もまた書展という枠組みの中から解放し、自由に大らかに多くの人々と喜びを分かち合ってゆけたらいいなと思っています。そして昔のように、書と画が同じひとつの平面を彩り飾る形式を、ふたたび楽しめたらいいなと思います。

書画の楽しみ屏風展は、今年が始まりで、このあとも続けて「椿の里」にて発表してゆくつもりです。

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by akikomoriya | 2012-03-26 18:34 | 日本画

西行と桜 書画の楽しみ屏風展

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小林椿園先生との2人展、「西行と桜~書画の楽しみ屏風展」が始まりました。

何もかも初めての試みで、出来上がるまでドキドキでしたが、昨日二人の作品を屏風に貼り合わせてみて、予想以上の出来に「自画自賛」および「自書自賛」。

椿も今まさに見頃!4月8日までやっております。是非お出かけください。

行き方は、日本平動物園を目指して来てください。動物園手前にある東名の高架をくぐったら、信号機を左へ。東名測道沿いに進み100mくらいのところに看板があります。看板に従い鋭角に折れ、茶畑を上るとすぐにあります。

店内のお食事でお薦めは「椿弁当1300円」これは絶対お薦め!そのほか鍋焼きうどん、豆腐田楽、お汁粉、甘酒なんでもおいしいですよ~♪

桜の和歌と絵に囲まれてしばしゆったりとお過ごしくださいませ♪

最終日は私も椿園先生も一日おりますが、その他の日は不定期に会場を出入りしております。不在の時はお店の方にお声を掛けてください。

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by akikomoriya | 2012-03-24 22:15 | 日本画

卒業式

今日は息子の通う中学校の卒業式でした。
しみじみと心にしみ入る、あたたかな卒業式でした。小学校、中学校と一緒に成長してきた仲間が、ついにそれぞれの進路へと別れてゆきます。


中学校は不条理を学ぶ場だ、と言う人もいます。部活や人間関係で不条理を学び、もまれ、強くなる時期なのだと。もちろんそうかもしれません。

でも世間の不条理を学ぶ前に、人間同士の温かさと信頼を疑いようもないほど体験してから、その世間の不条理を学んでも遅くはないと常々思います。その方が強い人間になれる気がするのです。そういう意味で息子は本当に幸せだったと思います。お世話になった先生方お友達…みなさんに対し、心からありがたさがこみ上げ、式の最中涙が止まりませんでした。


子供の頃何気なく過ごしてきたこの季節も、出会いと別れを繰り返し、年を重ねるに付け、ただ暖かくなってゆく「季節としての春」ではなく、特別な意味を持つ春になってゆきます。

何度も何度も春を迎え、春を送り、人は成長してゆきます。

春という季節の持つ、特に植物世界の持つ、発芽、発育の凄まじいエネルギーに乗じて、人間も成長してゆくことが出来ますように。

庭に米桜が咲き始めました。
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あと10日で3月も終わり。植物も人も、新しい1年の始まりです。

今日卒業していったすべての子供達に、よき風が吹き、よき成長と、豊かな実りがあるように…!

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by akikomoriya | 2012-03-21 23:46 | おしゃべり

光る苔 ②

フラワーアトリエの鈴木さんは、私の最も古い友人の一人なのですが、2人展をしたのはかれこれ17,8年前になるでしょうか…。時の経つのは早いものです。

鈴木さんの植物に対する眼差しに触発され、自分の世界もずいぶん広がったように思います。「苔」もそのひとつ。鈴木さんのお話では苔の花言葉は「母性愛」だそうです。他の植物が育つ環境を整え、他の植物を生かす苔。踏まれることをものともせず、華やかな花を咲かせて誰かを振り向かせることもなく、ただ慎ましく温かい。…共生っていうか、利他っていうか…なんか苔っていいですね~♪

ところで我が家の娘が刺繍好きなので、刺繍の本を探していたら、「青木和子」という刺繍デザイナーの素敵な本に出会いました。

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主婦の友社から出ている「憧れの小さな庭」です。どのページも苔っぽい♪
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この苔っぽさ、 共感できるなぁ~♪♪
青木さんは北欧に住んでいたことがあるらしく、なんか感覚があちらっぽい。

昨年の秋に、東静岡駅の「山野草市」で苔玉を買ったのですが、冬の間しょぽくれていた苔も、春になって緑が濃くなってきました。日本人も苔好きですよね。苔玉、苔寺…あと忘れてはいけないのが…
♪♪♪君が代は 千代に八千代に さざれ石の巌となりて 苔のむすまで~♪♪♪

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by akikomoriya | 2012-03-17 23:14 | おしゃべり

光る苔

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日本平のあたりは大きい川もなく、斜面の農地には、所々散水のためのものか「ため池」があったりします。

昨日犬のお散歩の途中に、ため池の縁に光る苔を見つけました。新芽が柔らかそうで綺麗♪

苔って地味だけど、温かくて優しくていい感じ…。

以前、フラワーアーティストというかプランツデザイナーというか…の鈴木さんと2人展をしたとき、その作品の中で苔の良さを知りました。鈴木さんは苔の扱いがうまい!大地は苔に覆われてはじめて植物が育つ土地になるのですね。植物が育つと苔は陰に隠れてしまうけれど…。

地面にしゃがみ込んで苔を撮影しているとなんだか幸せな気持ちに…
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昨日は高校に合格してご機嫌な息子が、学校に報告に行って帰ってくると、なんだか複雑な表情…。クラスのお友達や親しくしている子が落ちてしまったらしいのです。

1年前受験に向けて志望校を決める話し合いの時、一番最初に言った言葉が
「自分が受かることで、誰かが落ちるって言うことは、なんだか申し訳ない気がする。こういうシステムじゃなくてもっと他の方法で高校に行きたいな…」

誰もが覚悟してきたことだけれど、いざ現実になると辛いね。

今日という日が幸せな人もいれば、悲しい人もいる…そんなことを言って、そのあとははしゃぐことなく、淡々といつも通りに過ごす息子を見て、なんだか苔みたいな人だなって思ってしまいました。

希望校に落ちた人も、運命の神様が与えてくれたその場が一番ふさわしいところだったと、心から思えるような三年間になるといいね♪みんな幸せで…!

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by akikomoriya | 2012-03-16 17:09 | おしゃべり

桜咲いた♪

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今日は久しぶりにあたたかな風が吹いています。

我が家の受験生も、お陰様で無事に合格し、心から有り難く、じわじわと涙が出ました。
応援してくださった皆さまに心より感謝申し上げます。

椿の里のご主人が、「川津桜が満開だから見てってよ。」と声を掛けてくださり、甘えさせていただきました。
桜は他の植物は育たないような、カリカリの荒れ地でも育つとのこと。成長も早く、すぐに大きくなるねえと話してくださいました。

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桜、咲いた♪ 桜咲いた♪

空いっぱいにありがとうです。

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by akikomoriya | 2012-03-15 14:16 | おしゃべり

白いタンポポ♪

我が家で増やしている、白いタンポポが咲きました。正式名称は「白花タンポポ」。

茎もするっと長く、どこか儚げな白いタンポポ。帰化植物の西洋タンポポが日本中で幅をきかせている中、このタンポポは「和種」のタンポポなのです。関西~九州など西日本には多く自生しているようですが、東海以北では珍しく、知らない人も多いと思います。
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初めてこのタンポポに出会ったのは、小学校の入学式でした。とてもお天気がよくて、私は母のお手製のセーラー服を着て、赤い大きなランドセルをしょい、小学校までの40分の道のりを歩いていました。今では珍しくなりましたが、母は紋付きの黒い絵羽織を着ていました。着物と草履でよくそんなに長い時間歩いてくれたものだと今になって思います。

母に手を引かれ歩く道々、なんとはなしに、嬉しい気持ちだったことを覚えています。
そして、梅屋町の路地裏にさしかかったとき、舗装されていないでこぼこ細道のわきに、白いタンポポが咲いていたのです。わぁ~っていう感動を今でもはっきり覚えています。
その後6年間、春になると白いタンポポを探しながらその路地裏を歩きました。けれど残念なことに、白いタンポポは年々減り、小学校を卒業する頃にはもうどこにも見あたりませんでした。
それ以来、白いタンポポをずっと追い続けてきました。

小学校入学以来37年間の中で目撃した場所は…


・磐田駅近くの住宅街のコンクリートの割れ目に一輪
・磐田市甲塚公園裏に群生
・鳴門市競艇場付近に群生
・奈良県三輪山山辺の道に数本
・奈良県吉野川の土手に群生
・奈良県飛鳥村天武持統稜に群生
・日本平山頂付近にパラパラ群生
・静岡県立美術館付近に3本ほど
・草薙運動公園付近にこれも数本
・丸子梅園の園内にパラパラ
・静岡市城北公園にパラパラ

このうち市街地で見かけたものは、ほとんど姿を消しています。

…しかしこうして改めて箇条書きにしてみると、自分自身の白花タンポポへの執念といいますか…恐ろしいものがありますね、はい。人は何度でも生まれ変わるものですが、白花タンポポを見ていると、過去世というか前世でもこの花が好きだった気がします。何とも懐かしいです…。

我が家で栽培しているのは、奈良に咲いていたもので、天武持統稜のものと、吉野川流域に群生していたものをそれぞれ種から育てています。

ところで、ここ静岡市日本平周辺は、観光地としてこれだけ人や車の往来が激しいにもかかわらず、和種の「日本タンポポ」が多いのです!白花に限らず、黄色いモノも和種が圧倒的に多い!ガクの部分を見ると和種であることがすぐに分かります。

ただそれだけのことですが、日本平を気に入っている理由です。
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このブログを見てくれている人にお願いです!
白花タンポポを見つけても、花を摘み取らないこと。どうしても欲しいときは種を採取して、9月の涼しくなった頃に蒔いてください。もちろん私に連絡くだされば種はお分けいたします♪

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by akikomoriya | 2012-03-14 22:01 | おしゃべり