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みなさまのお作品

今年も残すところあとわずかとなりました。
この一年も
SBSの皆様には大変お世話になりました。
今年は展示会、講演会が続き
私生活もかなりバタバタしまして
なんと、お教室の日程変更のご案内にミスがありまして
自習にしてしまったこともありました(>_<)
皆さま笑顔でご対応下さり・・・本当に申しわけなく
来年はもう少し気を落ち着けて指導にあたりたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

さてさて
この秋冬もたくさんの素敵なお作品が生まれました♪

まずはいつも落ち着いたペースで制作されている
Sさま♪
紅葉の季節に合わせて制作されておりました。
なんとか間に合いましたね!
赤い紅葉、色を出すのが大変ですが
赤だけではなく
赤から橙、薄黄色、薄緑と自然なグラデーションになりました。
背景を薄暗くしたことで
山あいの、渓流沿いのような静けさが出ました。
微妙なトーンの変化が深遠な印象を醸し出しています♪
幹の木肌の感じもとても良いです!
来年も楽しみにしておりますね!

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お次はNさま
銀箔貼りに初挑戦でした!
失敗を恐れず挑戦することが
何といっても大切です!
銀の上に、ミョウバンを引き、墨、岩絵の具、胡粉を丹念にかけました。
打ちっぱなしのコンクリートの壁の雰囲気がよく出せました♪
玉すだれの花は、形がシンプルで、可愛らしいお花です。
実は形をとるのがとても難しいのですが
よく捉えています。
白い花は影をつけすぎると、立体感よりも汚れた感じになってしまいます。
またこういったシンプルな花は
見たままよりも、少し意匠化させながら絵作りする必要があります。
いくつものハードルをしっかり超えられて
玉すだれの自然な佇まいを見事に描かれました。
少し日陰の背の低い草花に
優しいまなざしが感じられるお作品です♡
素晴らしい!
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お次、Hさま
大変達者でいらっしゃるので
私がご指導する必要もほとんどないのですが
持ち前のお品の良さと視点の斬新さにいつも感心させられます。
グレートーンはまたお品のよいお色目ですが
Hさまはピンクと合わせて使われます。
グレーは、補色同士を混ぜると出来上がる色なので
単純に「黒+白」と思わない方がよいのです。
無限にあるグレートーンを奥深く柔らかく表現してくださいました♪
お花の自然な流れ、動きも本当にお上手です♪
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お次はN様です♪
毎年お年賀状のために富士山の絵を描かれるので
私も見習わなくては!
今回は由比の薩埵峠からの風景です。
実は東海道五十三次の広重の作品で有名な場所です♬
富士山が凛と仕上がりました!
また、雲の表現がとても自然でよいです★
個人的にみかんの木が気に入っております♬
青い海、青い山に、補色のオレンジが映えます!
また広重の浮世絵も東海道でしたが
Nさまも現代の街道と古代の街道を対比させ
趣向を凝らしております♬
海岸沿いの街道の表現が、またお上手・・・
細かい作業もどんどんこなすパワーには脱帽でございます・・・
お年賀状の仕上がりが楽しみですね!


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最後はIさま♪
とても素早い描きっぷり!
書道をされていたので何をされるにも勢いがあります。
秋のイワシ雲がとても自然に描けました。
青い山の下に隠し味で赤が敷いてあります。
シンプルなお色味ですが
深みが感じられるのはそのためです。
手前の稲穂もとても良い色合いです♬
いつもながらお上手です!

続きまして
絞り染めの布とガラスのコーヒーカップ♬
これまたあっという間に仕上げられました!
絞りの感じがなんともお上手!
グレーと黒、白がモダンです♬
センスが光ります・・・
構図も素晴らしいです・・・
見習わなくては★

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ことしも一年、本当に皆さまご熱心に描かれました。
私はバタバタしているだけで充分に描き切れなかったので
本当に反省です・・・
皆さまのお作品に
いつも新しいアイディアや閃きを頂いております!
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます♬

ではどうぞ楽しい年末年始をお過ごしくださいませ!



by akikomoriya | 2018-12-28 15:45 | SBS学苑 日本画教室

ジャポニスムふたたび 43話

Merry Christmas☆彡12月24日 静岡新聞朝刊です☆彡
ジャポニスムふたたび『深遠な日本美 今こそ世界へ』   森谷明子
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 「浮世絵が日本の美術のすべてではないことを知っていただきたい」。これは、ジャポニスムが席巻するパリで日本美術商を営んでいた、林忠正の言葉である。
林は1900年パリ万博の事務官長であり、ルーブル美術館に浮世絵を寄贈するなど、日本美術を海外に知らしめた功績において、国家レベルの貢献を残した人物である。...
確かに浮世絵は、ある意味分かりやすく刺激の強い表現である。モネは200枚、そしてゴッホに関しては、極貧の中で400枚もの浮世絵をコレクションしていた。特に印象派に対する影響については今更述べるまでもない。現在においても、海外で最も知られた日本の絵画は、北斎の「神奈川沖浪裏」だろう。
しかし日本人なら誰でも、日本美のすべてが浮世絵に集結しているとは思わない。深遠な等伯、洒脱な光琳、源氏物語の優美、そして様々な工芸、建築、庭、染色、和歌俳諧、舞踊等・・・場合によっては縄文にまで遡る日本独自の世界観、価値観、精神性が、そこには潜んでいる。
林も同様に、浮世絵を入り口として、その奥に広がるさらなる日本美の深遠なる世界を伝えたかったに違いない。しかしながら、その「浮世絵の壁」を超えることなく、19世紀のジャポニスムは終焉を迎えてしまった。
「浮世絵の母体であり、日本文化の総体である日本美術を、どうか知っていただきたいのです」。と林はいつも言っていたという。昨今のクールジャパンを見渡したところで、そうした林忠正の懸念は、いまだもって解決されてはいないと感じる。
 このコラムでは、19世紀のジャポニスムでは伝えきれなかった、より繊細で深遠なる日本文化について触れていきたいと思っている。ふたつの大戦によって途絶えてしまった、より深い部分の文化交流がなされる時、それは今であると切実に思う。

 




by akikomoriya | 2018-12-24 23:09 | ジャポニスムふたたび