人気ブログランキング |

ジャポニスムふたたび 55話

e0240147_21472991.jpg



本日朝刊です♬『ジャポニスムふたたび』 
日本の「和」に感じる有難さ      

 
 愛の教えとして知られるキリスト教であるが、実際聖書の中で最も多く登場する語彙は「喜び」に関するもので、「喜び歌え」「喜びおどれ」「主にあって喜びなさい」など、なんと八百回近くも登場するという。...
 またキリスト教の神、唯一絶対神(ゴッド)が望んでおられることとして「常に喜べ」「絶えず祈れ」「どんなことにも感謝せよ」(テサロニケ5章)ともあり、喜ぶと同時に絶え間ない祈りと、あらゆる事象に対する感謝が説かれている。さらには苦悩さえも神から与えられた試練とし、「感謝」の対象となるのがキリスト教の教えである。
ところで、日本の神は「八百万の神」といって、山川草木に祖霊精霊、取り巻くすべてを畏敬の対象とした。その霊験に感謝するのが日本人の古くからの信仰であった。キリスト教と神道は、一神教と多神教という一見真逆の世界観を持つように見える。しかし、両者の共通項は、徹底した「感謝」の姿勢である。取り巻くすべて、わが身に起こるすべての良しにつけ悪しきにつけ、万事を感謝に帰する生き方は、キリスト教と神道の共通項であるように思う。
日本人の信仰の在り方に、多様性と寛容を導いたのは聖徳太子であったが、在来の神道と、外来の仏教を見事に調和させたバランス感覚は、現在に至っても健在で、キリスト教イスラム教も含め、日本では様々な宗教が共存している
「違い」を嫌悪するのではなく、「同じ」を見つけながら「違い」を大らかに取り入れていくのが日本文化の利点である。世界の宗教対立やそれに乗じた覇権争いが絶えぬ中、とりあえず日本では、千年以上も前にそうした問題には決着がついている。
街のあちらこちらでクリスマスのオーナメントが輝くこの時期、日本の和の文化に対しあらためて有難さを感じる。

2019年12月2日



# by akikomoriya | 2019-12-02 21:48 | ジャポニスムふたたび

ジャポニスムふたたび 54話

e0240147_09075572.jpg


18日朝刊です。のどかな晩秋の朝、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今月はこの時期の静岡の風物詩でもある「お茶の花」です♪マリアちゃんのお散歩をしながら茶畑を歩きますと、小さな小さな茶の花が!椿や山茶花と同じ仲間なので、とても可憐で、そしてよく見ると華やかなのです。
そして、この秋の悲しいニュースを前向きにとらえてみました。

ジャポニスムふたたび

日本文化の扉 琉球から開け         森谷明子

 

 日本文化は他国の文化を取り込みながら、「和風」にアレンジし膨らめていく文化とされるが、その母体となっている「和」の根っこは「縄文」にあるという。

具体的には、我々が話している言語、信仰や自然との関わり方等は縄文由来とされる。近年は、「戦い」と「自然破壊」、そして服従と隷属を示す「国家」を持たない穏健かつ持続可能な文化としても、世界からの注目を集めている。

その縄文人が、約3000年前に大陸や半島からの「渡来人」と混血して、現在の日本人が出来上がっているのだが、実はこの過程には大きく分けて三通りがあった。

一つ目は、早い時期から渡来人らとともに「水田のムラ」を営み、「戦い」を繰り広げながら「国家」を形成するに至った「西日本」。

二つ目は、時間を掛けながら渡来人らを受け入れ、「水田のムラ」を作りつつも「戦い」や「国」は取り入れなかった「東日本」。

三つ目は、「水田」も「戦い」も「国家」も取り入れず、北と南に逃れた「アイヌ」と「琉球」である。DNA的には「アイヌ」「東北」が、言語には「琉球」が、縄文人に最も近いという。

つまり、東北やアイヌ、琉球に伝承される、より古い文化の在り方を研究することで、日本文化の真の母体である「和」の原風景を知ることができるはずなのである。

先日、琉球王国の王城であった「首里城」が焼失した。あまりにショッキングな出来事ではあるが、再建に向かってより多くの日本人が琉球に目を向け、関心が注がれることで真の日本文化の扉が開くように思われる。

原日本人の末裔としての琉球に対する価値が高まることで、現在の沖縄に対する考え方にも変化が生じるのではないだろうか。この焼失が、様々な問題を抱える沖縄にとって「ピンチをチャンス」に変える“風”となることを願っている。



# by akikomoriya | 2019-11-20 09:11 | ジャポニスムふたたび

ジャポニスムふたたび 53話

e0240147_18474041.jpg


すっかり秋めいてまいりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
この秋は本当に大変なことになりまして、静岡はお陰様で被害少なく
毎日の衣食住に不自由することなく暮らせることが
つくづくと有難く思われます。
つい当たり前に思ってしまうことを
ひとつひとつ有難く受け止めて生きていきたいと思います。

ジャポニスムふたたび 53話   森谷明子

感謝がこもる日本食の価値

日本食が海外で注目されるようになり、国内でも日本食に対する価値が高まっている。素材のうまみを生かし、研ぎ澄まされた味覚と技に支えられる日本食は、世界に誇る文化である。

また食に関する作法も日本独自のものがある。日本の食事は「いただきます」の礼にはじまり「ご馳走様でした」の感謝に終わる。しかし、海外ではこういった習慣は必ずしも一般的ではなく、出されたものを何も言わずに食べ始める場面にでくわすと、逆に驚かされる。

日本では八百万の神といって、山川草木すべてが神聖であり神宿る存在とみなす。したがって、食とはその神聖さを人間の体に取り込む儀式でもある。食と神事は日本では切り離すことはできず、全国各地で行われる地域ごとのお祭りは、豊穣祈願の春祭りに、収穫に対する感謝の秋祭りである。

またアイヌ語では箸を「パスイ」といい、これが日本語の「箸」の語源であると考えられているが、その「パスイ」は単なる箸ではなく、神や先祖に供物をささげる際に使用する神具である。つまり箸とは神と人との仲介として神聖な道具であるのだ。

実際日本の食事の場面では、箸に関する決め事が多い。箸で人や物を指さない、箸を立てない、箸で食べ物を受け渡さない、箸で音を鳴らさない、などの数えきれないほどの決まり事を、日本人は当たり前のように親から子へと伝え、それに沿って食事を行う。またひと頃前の食卓とは、祝い事などの晴れの場以外は、家族一同揃って静かに頂くことを良しとされていた。

こうした日本の食文化は、とりもなおさず、食という行為が、神なる命を頂く神聖な儀式の延長にあり、それを共に分かち合いながら日一日と生かさせて頂く営みに対する感謝の表れである。

日本食を伝えるとき、そうした日本人の価値観も含めて伝えることができたらと思う。

 



# by akikomoriya | 2019-11-05 18:50 | ジャポニスムふたたび

皆さまのお作品

今年は台風の被害大きく
あちらもこちらも大変です・・・

そんな中
本日は即位の礼が古式ゆかしく執り行われまして
前夜からの雷雨がすっと晴れ
都内は虹が出たようです。
有難い事です。

さてさて
10月分の皆さまのお作品です。


e0240147_16291674.jpg
安倍川の初夏の風景です。
いつも大変精力的なNさまのお作品です♬
これはセンダンの木ですね。
さらさらした葉っぱが特徴的です。

空の色が初夏らしく
雲も自然な感じです。
下草に映る木漏れ日が大変綺麗です。
向こうにまで続く橋の遠近感、川面の煌き
何もかも穏やかに収まっております♬
清々しい初夏の川辺であります!

e0240147_16230746.jpg

e0240147_16232790.jpg
お次はIさま
目がお悪いのに精いっぱいかんばって下さっております。
あまり細かい作業は避けて
なるべく大きくとらえて制作できるように心掛けております。
秋明菊は日本画らしいモチーフです。
背景にも白を入れることで一層雰囲気が出ました。
柔らかい茎の感じもよく出ています!
お品のよい色あいです!

e0240147_16231892.jpg
最後はKさま
青味のある不思議な色味がKさまの特徴です。
全体的に青いオーラを放っているような印象があります。
最近地道にスケッチをされるようになり
形のとらえ方にも安定感が出てきました。

e0240147_16233232.jpg

輪郭をほそくくくって
さらに青を掛けてみました。
独自の世界観を追求するために
丹念に試行錯誤を繰り返されるご様子に
いつも感心いたします・・・

ではでは
来月も皆さまお元気でお出かけくださいませ!
寒くなる前のひと時
気候の佳いうちに私も制作に励もうと思います。




# by akikomoriya | 2019-10-22 16:41 | SBS学苑 日本画教室

みなさまのお作品

前ページに続きまして
9月に仕上がりましたお作品です!

e0240147_23255841.jpg
いつも精力的なIさま!
目のお具合がお悪い中
いつも頑張って通って下さっております。
本当に頭が下がります・・・
目にご負担のないように、
あまり細かい作業にならないように気を付けおります。

薄桃色の桔梗、とても珍しいです。
背景を黒にすることで
夏というか初秋の涼やかさが伝わります。
植物の自然なゆらぎもよくとらえておられます。
桔梗はとても難しいのですが
大変素敵に仕上がりました!



e0240147_23263132.jpg
お次Nさま!
お得意の富士山ですが
今回は有難くも私の作品を模写してくださいました。
自分でも試行錯誤で制作しておりますので
今になってみるとどうやって描いたのかよく分からない部分も多く・・・
しかしNさまの方であれこれ観察してくださり
実物以上に素敵なお作品になりました!
有難いことです~(#^^#)
私もこんな風に8号くらいの富士山も描いてみようかなと勉強になりました!
e0240147_23271440.jpg
やっかいな雲もバッチリ決めて下さり・・・
金箔も頑張りましたね~
素晴らしいです!

e0240147_23265226.jpg
Sさまのモクレンです!
赤い色味を悩んでおられましたが
奥は紫がかった赤
手前は朱色でメリハリがつきました。
背景は少し曇った感じと
眩しい光の感じが出ていて
春らしい印象になりました。
いつも丸子川周辺を散策しておられるSさま
自然の様子を捉えるのが大変お上手です!
次回また楽しみにしております!

e0240147_23273249.jpg
e0240147_23274826.jpg
お次はOさま!
山野草にお詳しいので
今回も山野草で!
え~と・・・なんて名前でしたか・・・
レンゲショウマ?だったかな?

儚く透明感あふれる清楚なお花です・・・
実物も見てみたいです・・・
少し湿った日陰にひっそり咲いている感じが
本当によく出ております。
Oさまは随分と腕を上げられました
しみじみと感心いたしております・・・

真ん中あたりの白く色づいてきた蕾が可愛くて気に入っております!

e0240147_23280149.jpg
e0240147_23281867.jpg
最後はUさまです!
今回、早かったですね~!
あっという間に仕上がりましたね!
花びらのひらひらした感じがとても良いです。
スイスイお描きになって
形の取り方がお上手です。
毎回、額に入れて飾ってくださいね!
実は私は菖蒲は描いたことがないのですが
こうして拝見しますと自分も描いてみたくなります・・・

7月、8月、9月と
皆さまお暑い中本当によく制作されました!
こちらがパワーを頂いております!
いつもいつも本当に有難うございます!





# by akikomoriya | 2019-09-24 00:02 | SBS学苑 日本画教室

みなさまのお作品



虫の声が涼やかに響き渡っております。
秋ですね~みなさまいかがお過ごしでしょうか?
この暑さの中も、SBSのみなさまご熱心にお教室にお通い下さり
本当にありがたく思います。
私よりも制作のペースが早いので
こちらも頑張らないとと励みになっております!

今日は二か月分のお作品をご紹介しますので
二回に分けてアップしたいと思います(^O^)/

まずはいつもさわやかな笑顔のTさま!
可愛らしい勿忘草をモチーフに
涼やかなお色味で仕上げてくださいました。
なんとご自宅で2作目も取り組んでくださりびっくり!
蝶々もいいですね~私もこんな絵を描いてみたいです!
Tさまのお優しいお人柄がお作品に溢れております・・・

e0240147_23240383.jpg
e0240147_23242232.jpg
e0240147_23243922.jpg

e0240147_23245918.jpg
男性で頑張っていらっしゃるUさま!
絵の具の扱いがいつも大変大胆でいらっしゃるので
とてもハラハラ・・・
しかし!
最終的にはいつもとっても素敵に仕上がるのですね~!
大変不思議なUさま・・・
はっきりとした群青に白牡丹・・・
こういう配色もあるのかとこちらも勉強になります<(_ _)>
いつも有難うございます<(_ _)>

e0240147_23251411.jpg
かなり長いお時間を掛けてじっくりと取り組んでくださいました。
Kさまの模写「安田靫彦の額田王」です。
背景の淡い色味は碧玉を使い分けました。
お召しになっている着物は
緋色や橙色はご身分の高い方でないと身に着けられないお色です。
金色の模様がとても丁寧に描けています。
模写をすると
見ているときは気が付かなかった部分も理解されてきますので
大変勉強になります。
高貴なお作品、ぜひご自宅に飾ってくださいね~(#^^#)

e0240147_23252965.jpg
そしてNさま!
グレートーンがお得意で
いつも大変お上品なお作品です。
白い花の陰影がとても良い感じに入っています。
また緑の彩色も
微妙な塗分けがとても自然で素敵です。
本当に生きているような、ふと風が通り抜けるような
清々しい仕上がりになりました・・・
初夏の爽やかさが伝わってまいります・・・
e0240147_23254364.jpg
アップにしても綺麗です!
素晴らしい!

ではこのあと次のページに移動します!
続けてご覧くださいませ!




# by akikomoriya | 2019-09-23 23:44 | SBS学苑 日本画教室

ジャポニスムふたたび 52話

e0240147_22572130.jpg

暑さ寒さも彼岸までとは言いますが
やっと涼風吹いてきましてホッとしております。
しかしながらこの暑さで
昆虫たちもだいぶん打撃を受けたことと思います・・・
あまり暑いと卵が孵化しないのだそうです涙
地球上の生物多様性が守られるように・・・

ジャポニスムふたたび  52話

 小さな生き物 はかない「美」         森谷明子

古今東西、絵を描くということは、手間も費用も掛かるものである。それはいつの世にも贅沢なものであり、当然のことながら、「絵に描いてまで残しておきたい」と思うだけの、価値あるものを描くことになる。

したがって、描かれたもの(作られたもの)を見ていくと、それぞれの民族がそれぞれの時代において、何に対して価値をおいているかがはっきりと見えてくるから面白い。

そうした視点で日本の芸術表現を覗いてみると、実に多様な生物が登場する。鶴や虎となどのめでたい動物はもとより、兎やカエル、猿がくり広げる鳥獣戯画は現在でも人気がある。また、煙草入れや印籠には鳥や魚、亀、ヒトデなどの小動物が、さらに家紋になると、蝶や蛤といったより小さな生き物の意匠が見られる。

それはまさに生物多様性を反映した、大変賑やかな世界である。清少納言の枕草子には「なにもなにも 小さきものは みなうつくし」とあるが、日本人は、より小さいもの可愛らしいものに、命の有難さや美を感じる民族であった。

表現における生物多様性は、ジャポニスムを通して西洋にも伝播した。

北斎漫画には、ありとあらゆる生き物が賑やかに登場するが、それに影響を受けたエミール・ガレは、トンボやバッタ、蝶、カブトムシ、ヒトデやタツノオトシゴなどを装飾的に表現した。それは人物表現を主体としてきた西洋の芸術史上、大変画期的な出来事であった。

たとえ百万遍の言葉を尽くして「トンボは美しく価値のある尊い存在だ」と語ったところで、決して理解されることはなくとも、トンボをモチーフにしたガレの美しいガラス工芸を一目見ることで、「トンボ」という小さく儚い命に美を感じることができるようになり、そこに社会常識や価値基準の変革が起こる。 

その変革こそが、19世紀ジャポニスムの最大の功績であると私は思う。



# by akikomoriya | 2019-09-23 23:01 | ジャポニスムふたたび

ジャポニスムふたたび 51話 叶わぬ元老の夢 令和の時代こそ

暑い暑いと言いつつも、朝夕すっかり涼しくなりました。
来年も再来年も、この先ずっとこんなに熱いのでしょうか・・・
大変なことであります・・・
地球の悲鳴をよそに
人間社会は呑気に小競り合いを繰り返す日々でございます。
紀元前から進歩しない面々に、さらなる進化を求めます・・・
では8月26日朝刊「ジャポニスムふたたび」です♪

「叶わぬ元老の夢 令和の時代こそ」      森谷明子
 ユネスコ(国連教育文化科学機関)の主眼は、お互いの文化を理解することで平和を実現しようとする取り組みである。
 自国を守るための軍備増強と同盟国の結束が、紀元前からいつの時代でも行われてきた取り組みであるとしたら、第二次世界大戦の反省から提唱されたこの「文化の理解で平和を実現」という発想は、人類にとってかなり画期的な試みである。
 しかし、日本が戦前軍国化に傾倒する真っただ中で、すでにそうした理念を提唱していた人物がいる。激動する大正昭和期の政治を指南し続けた最後の元老西園寺公望である。晩年は静岡市清水区興津の「坐漁荘」に居を構えたこともあり静岡にも縁が深い。
 平和外交で知られる西園寺公望は、「文化の国日本」を世界に示す重要性を知り、「ジャポニスム」を積極的に推し進めた人物でもあった。「日本は強い国でなくていい、世界から尊敬される国になるべきだ」という言葉には、彼が理想とする日本の姿が端的に表現されている。
 しかしながら、その志とは逆に日本は「文化の国」ではなく「強い国」に向かって舵を切ることになった。
 さて、この夏休みも静岡ユネスコ協会では、小学生を対象としたユネスコ絵画展を企画募集している。名所旧跡や家族の思い出など、それぞれが大切にしているふるさとの景色を一枚の絵にすることで、守るべき風景を再認識してもらいたいと願い、今年で22回目の開催となる。
 今自分が住んでいる街の価値を知りそれを伝える。また逆に、誰かにとってかけがえのない風景を、自分事として守ってあげられるよう行動する。そうした文化に対する深い認識を持った子どもたちが、静岡の街から多く育つよう願っている。
「文化で平和」。叶わなかった興津元老の夢も、令和の御代にこそ実現してほしいと思う。
e0240147_10211756.jpg



# by akikomoriya | 2019-08-27 10:21 | ジャポニスムふたたび

みなさまのお作品♪

今年の梅雨は涼しく過ごしやすいですが
だんだん農作物が心配になって参りました。
暑ければ暑いで、寒ければ寒いで
心配事は絶えませんが
それでもこうして日々過ごさせていただいているだけでも
本当に有難いことだと思います。
ましてや
好きな絵を描いて暮らせる贅沢に
日々申し訳なさを感じます。
世界中で絵を描くのが好きな子どもはそれこそゴマンとおります。
その中で、生涯を通じて絵を心の友に生きていく余裕のある人が
どれだけいることでしょう。

天然石や色ガラスという高価なものを砕いて作った絵の具を
贅沢にもふんだんに使って制作できる幸せをかみしめつつ
使う絵の具すべてに関わる人々の労にあらためて感謝したいと思います。

さてさて前書きが長くなりましたが
SBSのみなさま
日々精進され、ぐんぐんと腕を上げておられます!

e0240147_18023484.jpg



まずはベテランのHさま!
春らしい猫柳です。
「春は黄色から」と申しますが
黄色はなかなか難しいお色です。
なんといってもすぐに濁るのです。
胡粉やお得意のグレートーンで押さえながら
春先の柔らかい光を表現してくださいました。
猫の毛のような房も丁寧に描けています。
黄色、白、赤い芽、グレーが大変調和しているお作品となりました♪
慣れた筆さばきと独特の視点で
とてもおしゃれなお作品になりました。
いつもながら大変お上手!!!

e0240147_18023945.jpg

e0240147_18022442.jpg
おつぎ、Iさま!
お庭のコブシ、しなやかな曲線がとても綺麗です。
春先の少し曇った寒さの残る空気感が出ています。
コブシやモクレンは春の目印。
どんな人にも特別な存在になっていることと思います。
胡粉の白に優しい卵色
ガクの薄緑のバランスが大変良いです。
来春にはぜひお庭の開花より早く玄関に飾ってくださいね~!
e0240147_18022937.jpg

e0240147_18012689.jpg
春のお花が続きます♪
お次はNさま!
いつもオイルパステルでスケッチされていらっしゃるNさま。
日本画で仕上げた感じも独特のふんわり感がおありです♪
前回に続き、陶器の感じがすっかりお上手になりました!
陶器の影の色の選択が決まっております。
椿の葉っぱの艶感もよいですね~(*^▽^*)
お得意の陶器をちょっとアップに!
e0240147_18013635.jpg


e0240147_18011680.jpg

最後はNさま!
どんな時でも笑顔でいて下るNさま!
お教室のお日様のような存在でいらっしゃいます。
生きてこられた道のりと
その都度こ越えてこられたお経験は
無意識のうちにもお作品に反映されます。
e0240147_18012141.jpg

切れのよい構図と丁寧な色仕事。
重厚感のある幻想的なお作品になりました。
手前の川の幅が大胆に広くなって富士山の三角と対比しています。
見る人の視点は手前から川上へ
そして富士山頂を経て満月に誘われます。
絵を通してこの風景を旅することができます。
素敵なお作品を有難うございます。

ではでは
みなさまのファイトに励まされながら
私も精進してまいりたいと思います。
次回もお楽しみに~(#^.^#)








# by akikomoriya | 2019-07-15 18:20 | SBS学苑 日本画教室

ジャポニスムふたたび 50話

e0240147_17521069.jpg

海の日ですがちょっと肌寒いですね。皆様いかがお過ごしですか?
本日静岡新聞朝刊、「ジャポニスムふたたび  50話」です。

 静岡の花から 日米友好の絆       日本画家 森谷明子

 先日「全米さくらの女王」が来静され、静岡ユネスコの一員として歓迎会に出席した。米国で愛され続ける「ワシントンの桜」は静岡市興津で育てられた桜だという。
 ことのはじまりは、明治にまでさかのぼる。桜の季節に日本に滞在した米国の来訪者たちは、上野や墨田川でくり広げられる花見の情景に圧倒された。一面桜で埋め尽くし、薄紅色の夢幻世界をつくりだす日本人独特の園芸手法。その桜尽くしのただ中で、しばし日常を忘れる人々。桜は北半球温帯に広く分布するものの、日本人ほど熱狂的にこの花を求め、愛でる民族はない。 
 彼らは自国にもこの桜の文化を伝えたいと願った。やがて桜を介して両国の友好を願う日米双方の人々の努力と情熱が、それぞれの政府を動かし、桜の寄贈計画が持ち上がる。
 興津園芸試験場の活躍は、寄生虫や病気のない完ぺきな苗木を作ることだった。海を渡る日米友好の苗木づくりに誇りを感じた技術者らの、職人気質の見せどころであった。
 そして1912年(明治45)、桜に魅せられた人々の夢と希望を受けて、興津で育った6040本の桜の苗木が、ついに太平洋を渡った。
 戦時下のワシントンでは、桜が憎しみの標的として伐採されないよう「日本の桜」ではなく、「東洋の桜」と名前を変えて守られ、終戦後は2年で桜祭りも再開された。その翌年からは「全米さくらの女王」の選出が実施され今日に至る。
日米の友好の絆は、戦争という国家の都合に引き裂かれることなく、現在に引き継がれている。それは「桜を愛でる」という文化の上に築かれた、美しくも堅牢な平和の砦である。
 ちなみに、1915年(大正4)に桜のお礼として米国から「ハナミズキ」が贈られ、現在静岡市の木となっている。
花が築いた平和の砦。静岡という場所に、またひとつ美しい物語を発見した思いである。

森谷明子日本画遊々
http://akikomoriya.jimdo.com/





# by akikomoriya | 2019-07-15 17:53 | ジャポニスムふたたび