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ジャポニスムふたたび59話

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不安なニュースばかりが広がる中、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
不安は不安を呼び、渦のようになって現実世界の現象を作っていきます。
こんな時だからこそ、自らの心も鎮めて、ゆっくり呼吸してみましょうね♪

4月20日 月曜日朝刊です♬ ジャポニスムふたたび

疫病を鎮める 自然への畏敬         森谷明子

 
 奈良県桜井市三輪山の「大神神社」(おおみわじんじゃ)では、4月18日に「花鎮の祭」(はなしずめのまつり)が行われた。花が散る季節に、花びらのように疫病が広がることを恐れ、祭りをするようになったともいわれ、701年の「大宝律令」で国家の行事として定められて以来、1300年にわたり、国民の無病息災を祈願している。
 「鎮め」の言葉からも分かるように、古い時代の日本では、病は「戦う」ものではなく、「鎮める」ものであった。疫神にそっと出ていってもらうようお願いしたり、陽気に歌って踊って疫神を誘い出し鎮めるというものもある。
 現在、全世界を震撼させているウィルスだが、本来こうしたウィルスとは、野生動物の体内で共存しているものだという。あるべき場所にいる間は、何事も問題はない。それが何かの拍子でひとたび人間の体内に入り込んでしまうと、感染症として猛威を振るう。
 そう考えればウィルスの存在そのものが悪なのではなく、あるべき場所に鎮まることが何より望ましい。やはり「ウィルスとの戦い」という表現よりも、「ウィルスに鎮まっていただく」という表現が近いように感じる。
感染症の原因は不明ながらも、これまで人が立ち入ることのなかった深い自然の懐に人間がむやみに立ち入り、野生動物を密漁することも、一要因として挙げられている。自然界の神秘に畏敬の念を持ち、人間の欲を制して慎ましく生きることが、この時代必要なのだと思う。
近年は、「祈り」や「瞑想」が、遺伝子に影響を与えることが知られるようになった。米国の医療現場ではこうした研究が日本よりも盛んであるという。奇しくも花の散る季節に、疫神が全世界で猛威を振るう。疫神に心有らば、どうか一刻も早く鎮まり、人々に安寧な日々をもたらしてほしいと心から祈りを捧げる日々である。



# by akikomoriya | 2020-05-09 13:45 | ジャポニスムふたたび

みなさまのお作品♬

待ちかねていた桜ももう終わり
早くも初夏の花々が咲き始めております。
しばらくお教室をお休みにしておりますが
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
ご自宅の周りに自然がたくさんある方は
ぜひお散歩してモチーフを探してみてくださいね♪

今日は8枚のお作品をご紹介します。
まずは、Iさまの愛犬「こたま」ちゃん。
最近少しお具合が悪かったのですが
だいぶん持ち直したそうです。
柴犬のこたまちゃん。
いつもソファーでお気に入りのボール。
手足の丸め方が可愛いです。
黄色、黒、赤、白のコントラストが
優しい色味を引き立てています。

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お次はSさま
すずらんを描いてくださいました。
緑の背景に緑の葉っぱを描くのはとてもおしゃれです。
白と緑だけでの画面ですが
緑の種類を増やすことで
繊細でお品のいい作品になっています。
柔らかな光が感じられる優しい作品です♬

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お次はNさま
椿に雪が降り積もる様子・・・
北海道ご出身のNさま
雪にもいろいろ種類があるようです。
この雪はサラサラした感じがでています。
冷たい雪の下でも
椿は凛と咲いています・・・
ご友人に贈られるとこのと
きっと喜ばれると思います!

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お次はNさま
海と空の色分けが難しいのですが
とても自然にできました。
波が遠のいていく様子もとてもお上手!
雲も綺麗にぼかせましたね。
自然を描く時に
自然のように描くことは難しい
Nさまはとてもお上手です・・・。

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ヒヤシンスも頑張ってくれました。
背景の色が紫を引き立ててますね!
ガラスの表現もお上手。
器モノが得意ですね~!
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こたまちゃんを描かれたIさま
今度は推薦をリメイク
デッサンがしっかりしてますね~
花が生きているように感じられます・・・
寒さの中で凛としている感じが伝わります。
背景に白をざっくり塗ったのがよかったですね!

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可愛い!Nさまの作品、もうひとつ。
私は一度も描いたことがないアネモネ。
背景の白と器の白、花の白、それぞれとてもいい感じ
白が三か所で難しいけれど
ちゃんと成功していて
達者だな~といつもながら感心・・・
赤、青、黒の配色もよいですね!
お部屋に飾りたいです・・・

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みなさまのお作品♬_e0240147_16192178.jpg
またまたSさま
今年はシクラメンを二つ描いておられます。
そのうちのひとつが仕上がりました。
とにかく葉っぱが凄いですね~
すっかりコツを得ましたね!
葉っぱの存在感に支えられて
お花がふわっと見えます。これもよい感じ。
さらに背景のブルーグレーの選択もよかったですね!
金色の額縁に入れたいですね~!

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皆さまが次々に絵を描かれて
私は雑用に追われなかなか制作が進みません
皆さまを見習って、もう少し頑張ろう~!
では、この晴れやかで麗しい季節
どうぞお心だけは清々しくお過ごしください!
次回お会いできる日を楽しみにしております💛



# by akikomoriya | 2020-04-19 17:36 | SBS学苑 日本画教室

   ジャポニスムふたたび 58話                                 

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ひっそりと、桜が咲き始めました。今年の春は静かですね。

3月23日静岡新聞朝刊です。

「対象を愛して絵を描くこと」

世の中に桜の絵は多いけれど、菊池芳文(18621918年)の作品ほど桜の佇まいを描き出している絵はないと思う。菊池芳文の代表作「小雨ふる吉野」は、例年桜の時期には東京国立近代美術館で公開される。六曲一双の屏風の前に立つと、春雨がそぼ降る吉野の山の山桜が、目前に広がるような心地すらする。

 絵を描くときに一番大事なことは、その対象をとことん好きになることだと思う。桜なら桜を心底好きになり、話しかけながら、夢を見るような気持ちで描くのがよいと思う。誰かが描いた絵に良し悪しを付けるのは、決して良い趣味ではないのだが、強いて言えば、好きになった対象とどこまでひとつになれるかが、絵の良し悪しを決めると思う。

そういう意味で、菊池芳文は間違いなく、桜に魅せられ桜をこよなく愛していたと思う。「愛でる」という個人的な感情を通し、我を忘れ時を忘れて見入る時、桜が我が身に乗り移り、我を通して桜が現れるのである。 

桜を描くのは難しい。どんなに綺麗に描けていても桜には見えない絵もあるし、確かに桜なのだけど、生きているようには感じられないものもある。

ところで、先日、袋井市の可睡斎に行った折、珍しく気に入った桜の絵があった。襖に描かれた白い八重桜にぐるり囲まれ、しばし花見をしているような心地よさを感じた。帰宅してからその襖絵を描いた絵師である「山口 玲熈 (やまぐち れいき)」を調べてみると、先述の菊池芳文の弟子であった。可睡斎の襖には、同じく玲熈の筆による、鶴や藤などの絵もあったが、作者は桜を最も好んでいたように思われた。描かれた八重桜は、確かに生きているように感じられる。

菊池芳文と山口玲熈、子弟の間で桜を巡り、どんな会話があったのだろうと思いを馳せる。


# by akikomoriya | 2020-03-24 18:47 | ジャポニスムふたたび

ジャポニスムふたたび57話「八百万の神と最新の物理学」

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2020年2月17日、静岡新聞朝刊『ジャポニスムふたたび』
「八百万の神と最新の物理学」です♬        

 「八百万の神」とは、森羅万象、山川草木、動物、光、水、火、そして人間さえも等しく神聖であるという、おそらくは縄文時代から受け継ぐ日本独自の世界観である。
 こうした考えは、非科学的で原始的な思考であると思われがちであるのだが、最新の物理学を覗いてみると、この「八百万の神」とよく似た世界が広がっているから面白い。
 この肉体も含め、私たちを取り巻く世界は、「炭素原子」「水素原子」といった「原子」で構成されているのだが、その「原子」はさらに「素粒子」でできていると考えられ、これが物質の最小単位とされる。
 興味深いことにその素粒子とは、たった1種類の「弦(げん)」であり、私たちの体も、遺伝子も、水も、植物も、ウィルスも、鉱物も、光さえも、この宇宙に存在するすべては同じ1種類の「弦」から成っているという。
 さらにその「弦」は、常にバイオリン弦のように振動していて、1秒間に1兆回の1兆倍の1兆倍のさらに百万倍以上、という想像を絶する高速で振動し、振動の違いによって、素粒子の現れ方が異なるという。つまりこの世界のすべては、同じたったひとつの「弦」の超絶高速な振動、波動によって構成されているのである。
 気の遠くなるようなミクロの世界においては、人も花も、岩も光も、今この瞬間、同じひとつの弦の超絶高速な振動、波動によって存在している。
 「八百万の神」とは、人間を含めたこの世界のすべてに神聖さを見出し、それに感謝するという、日本人の基本的な世界観である。それは、和歌・俳諧をはじめ、武道、茶道、華道、絵画、造園、建築といった芸事から、生活文化の隅々にまで見られる。
「八百万」の世界観は、人類が解明しつつある最新の科学的叡智を、すでに知っていたかのようにも感じる。あらためて日本文化の摩訶不思議を思う。



# by akikomoriya | 2020-02-17 20:04 | ジャポニスムふたたび

みなさまのお作品♬

新年最初の「みなさまのお作品♬」です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!

昨年から今年にかけまして
たくさんの素敵なお作品が並びました!
皆さまどんどんお上手になられます。
このお教室で一番制作が遅れているのはこの私!
刺激を受けます!
頑張らなくては~!

ところでパソコンを変えまして画像処理がいまだよくわからず
トリミングが上手にできません・・・

次回までにはパソコン屋さんのお兄さんに教えてもらおうと思います。
今回は申しわけないです・・・

ではでは今年最初のお作品は
Tさまの・・・えーっと・・・お花の名前を忘れましたが
よく見かけるお花ですよね!
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ポンポンしたかたまり感がよく出ております。
葉っぱや茎にほんのり赤みがあるのが特徴ですが
頑張って仕上げてくれました。
葉の表や裏の色を少しずつ変えてデザイン的にもおしゃれに仕上がっています。
リビングに飾ったらお部屋が明るくなりそうですね!

次はたらし込みに挑戦されたNさま♬
普通に彩色したものと二枚仕上げてくださいました。
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たらし込みは江戸時代に流行した画風です。
俵屋宗達→尾形光琳→弟子たち
と受け継がれ
「琳派」と言われる一派がよく使った技法です。
このお教室ではOさまがお得意です。
ふわっとした柔らかい画風になります。
Nさまもとても良い具合に仕上がりました!

あまり下書きをなぞるのではなく
水墨風に筆の勢いを重視して描くことが大事です。
私も大好きな琳派です♬

お次はHさま
画像のトリミングがうまくできなくてすみません・・・
でもお作品はいつもながらとても素晴らしいです!
最近黄色っぽい背景に挑戦されているHさま。
黄色は難しいですが
とてもお品よくおさまっております。
かつ、斬新です・・・
自然の野にある風景を切り取ったような雰囲気がよく出ております。
野の息遣いが伝わってまいります。
・・・お上手です



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みなさまのお作品♬_e0240147_20392147.jpg
そしてまたまた私の絵を模写して下さっている
Nさま。
恐縮でございます・・・
春霞の富士山を描いたものですが
自分でもどの絵の具をどのように使ったか思い出せず
それを丁寧に観察して再現してくださいました。
有難うございます。
背景の柔らかい感じは私の作品より良い感じですよ~('◇')ゞ

最後は愛犬「こたまちゃん」を描いてくださったIさま。
柴犬のこたまちゃんのお話をいつもしてくださいます。
最近少しお具合が悪いよう・・・
こたまちゃん、早く元気になってね!
赤、黒、黄色、緑がとても斬新な作品です。

みなさん、何を描くかのモチーフを考えることから
本当に大変ですが
日々取り巻く世界を眺めつつ
美しいもの、素敵なもの、ワクワクするものを探しながら
今年も一年楽しく過ごしてまいりましょう!



# by akikomoriya | 2020-01-28 20:58 | SBS学苑 日本画教室

ジャポニスムふたたび56話

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本日朝刊です。

呼吸整え「黙想」構内に静寂      

 マインドフルネスという言葉が随分定着したように思う。企業の研修や、健康に関するテレビ番組でもよく扱われるようになった。

 瞑想というと宗教的な印象があるのだが、マインドフルネスとは、瞑想から宗教的な要素を取り除いて、今の自分の呼吸などを客観視することで、心や思いを整える方法である。

 日本の文化は深い呼吸に支えられてきた。記紀には「息長(おきなが)」という姓氏も見え、気息の長いことは珍重された。

 実際、日本の伝統的な所作は、深い呼吸がないとできないようになっている。畳に正座という所作も、相当自己を律する姿勢である。正座をしたり畳に手をついたりする挨拶の姿勢は、ゆっくりとした呼吸が必要となる。丹田を締める帯はもちろん、草履や下駄の鼻緒も、足指に力を入れることで下半身を支え、呼吸を安定させることに役立っている。

 こうした日本の文化は、現代社会においてはまさに風前の灯状態にあるのだが、冒頭に述べたマインドフルネスの普及により、ふたたび「呼吸の文化」に注目が集まっている。深く呼吸する、あるいは静寂の中で呼吸に意識を向ける。ただそれだけのことが、実は人間の日常生活に非常に有益であることが分かっている。心や思いを整える「呼吸の文化」に対する価値は、今後ますます上がっていくに違いない。

 ところで、浜松市内の多くの公立中学校では、30年来「黙想」を取り入れているという。先日、浜松市立三方原中学校を見学させていただいたところ、朝夕の会とすべての授業開始前の1分間を、黙想のひとときにあてていた。姿勢を正して着席し、目を閉じる、ただそれだけでもおのず呼吸は整う。

 生徒自ら「もくそー」と声を掛け合い、賑やかな校内が瞬時にして1分間の静寂に包まれる。なんとも美しい風景であった。

 

 


# by akikomoriya | 2020-01-13 18:35

ジャポニスムふたたび 55話

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本日朝刊です♬『ジャポニスムふたたび』 
日本の「和」に感じる有難さ      

 
 愛の教えとして知られるキリスト教であるが、実際聖書の中で最も多く登場する語彙は「喜び」に関するもので、「喜び歌え」「喜びおどれ」「主にあって喜びなさい」など、なんと八百回近くも登場するという。...
 またキリスト教の神、唯一絶対神(ゴッド)が望んでおられることとして「常に喜べ」「絶えず祈れ」「どんなことにも感謝せよ」(テサロニケ5章)ともあり、喜ぶと同時に絶え間ない祈りと、あらゆる事象に対する感謝が説かれている。さらには苦悩さえも神から与えられた試練とし、「感謝」の対象となるのがキリスト教の教えである。
ところで、日本の神は「八百万の神」といって、山川草木に祖霊精霊、取り巻くすべてを畏敬の対象とした。その霊験に感謝するのが日本人の古くからの信仰であった。キリスト教と神道は、一神教と多神教という一見真逆の世界観を持つように見える。しかし、両者の共通項は、徹底した「感謝」の姿勢である。取り巻くすべて、わが身に起こるすべての良しにつけ悪しきにつけ、万事を感謝に帰する生き方は、キリスト教と神道の共通項であるように思う。
日本人の信仰の在り方に、多様性と寛容を導いたのは聖徳太子であったが、在来の神道と、外来の仏教を見事に調和させたバランス感覚は、現在に至っても健在で、キリスト教イスラム教も含め、日本では様々な宗教が共存している
「違い」を嫌悪するのではなく、「同じ」を見つけながら「違い」を大らかに取り入れていくのが日本文化の利点である。世界の宗教対立やそれに乗じた覇権争いが絶えぬ中、とりあえず日本では、千年以上も前にそうした問題には決着がついている。
街のあちらこちらでクリスマスのオーナメントが輝くこの時期、日本の和の文化に対しあらためて有難さを感じる。

2019年12月2日



# by akikomoriya | 2019-12-02 21:48 | ジャポニスムふたたび

ジャポニスムふたたび 54話

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18日朝刊です。のどかな晩秋の朝、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今月はこの時期の静岡の風物詩でもある「お茶の花」です♪マリアちゃんのお散歩をしながら茶畑を歩きますと、小さな小さな茶の花が!椿や山茶花と同じ仲間なので、とても可憐で、そしてよく見ると華やかなのです。
そして、この秋の悲しいニュースを前向きにとらえてみました。

ジャポニスムふたたび

日本文化の扉 琉球から開け         森谷明子

 

 日本文化は他国の文化を取り込みながら、「和風」にアレンジし膨らめていく文化とされるが、その母体となっている「和」の根っこは「縄文」にあるという。

具体的には、我々が話している言語、信仰や自然との関わり方等は縄文由来とされる。近年は、「戦い」と「自然破壊」、そして服従と隷属を示す「国家」を持たない穏健かつ持続可能な文化としても、世界からの注目を集めている。

その縄文人が、約3000年前に大陸や半島からの「渡来人」と混血して、現在の日本人が出来上がっているのだが、実はこの過程には大きく分けて三通りがあった。

一つ目は、早い時期から渡来人らとともに「水田のムラ」を営み、「戦い」を繰り広げながら「国家」を形成するに至った「西日本」。

二つ目は、時間を掛けながら渡来人らを受け入れ、「水田のムラ」を作りつつも「戦い」や「国」は取り入れなかった「東日本」。

三つ目は、「水田」も「戦い」も「国家」も取り入れず、北と南に逃れた「アイヌ」と「琉球」である。DNA的には「アイヌ」「東北」が、言語には「琉球」が、縄文人に最も近いという。

つまり、東北やアイヌ、琉球に伝承される、より古い文化の在り方を研究することで、日本文化の真の母体である「和」の原風景を知ることができるはずなのである。

先日、琉球王国の王城であった「首里城」が焼失した。あまりにショッキングな出来事ではあるが、再建に向かってより多くの日本人が琉球に目を向け、関心が注がれることで真の日本文化の扉が開くように思われる。

原日本人の末裔としての琉球に対する価値が高まることで、現在の沖縄に対する考え方にも変化が生じるのではないだろうか。この焼失が、様々な問題を抱える沖縄にとって「ピンチをチャンス」に変える“風”となることを願っている。



# by akikomoriya | 2019-11-20 09:11 | ジャポニスムふたたび

ジャポニスムふたたび 53話

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すっかり秋めいてまいりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
この秋は本当に大変なことになりまして、静岡はお陰様で被害少なく
毎日の衣食住に不自由することなく暮らせることが
つくづくと有難く思われます。
つい当たり前に思ってしまうことを
ひとつひとつ有難く受け止めて生きていきたいと思います。

ジャポニスムふたたび 53話   森谷明子

感謝がこもる日本食の価値

日本食が海外で注目されるようになり、国内でも日本食に対する価値が高まっている。素材のうまみを生かし、研ぎ澄まされた味覚と技に支えられる日本食は、世界に誇る文化である。

また食に関する作法も日本独自のものがある。日本の食事は「いただきます」の礼にはじまり「ご馳走様でした」の感謝に終わる。しかし、海外ではこういった習慣は必ずしも一般的ではなく、出されたものを何も言わずに食べ始める場面にでくわすと、逆に驚かされる。

日本では八百万の神といって、山川草木すべてが神聖であり神宿る存在とみなす。したがって、食とはその神聖さを人間の体に取り込む儀式でもある。食と神事は日本では切り離すことはできず、全国各地で行われる地域ごとのお祭りは、豊穣祈願の春祭りに、収穫に対する感謝の秋祭りである。

またアイヌ語では箸を「パスイ」といい、これが日本語の「箸」の語源であると考えられているが、その「パスイ」は単なる箸ではなく、神や先祖に供物をささげる際に使用する神具である。つまり箸とは神と人との仲介として神聖な道具であるのだ。

実際日本の食事の場面では、箸に関する決め事が多い。箸で人や物を指さない、箸を立てない、箸で食べ物を受け渡さない、箸で音を鳴らさない、などの数えきれないほどの決まり事を、日本人は当たり前のように親から子へと伝え、それに沿って食事を行う。またひと頃前の食卓とは、祝い事などの晴れの場以外は、家族一同揃って静かに頂くことを良しとされていた。

こうした日本の食文化は、とりもなおさず、食という行為が、神なる命を頂く神聖な儀式の延長にあり、それを共に分かち合いながら日一日と生かさせて頂く営みに対する感謝の表れである。

日本食を伝えるとき、そうした日本人の価値観も含めて伝えることができたらと思う。

 



# by akikomoriya | 2019-11-05 18:50 | ジャポニスムふたたび

皆さまのお作品

今年は台風の被害大きく
あちらもこちらも大変です・・・

そんな中
本日は即位の礼が古式ゆかしく執り行われまして
前夜からの雷雨がすっと晴れ
都内は虹が出たようです。
有難い事です。

さてさて
10月分の皆さまのお作品です。


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安倍川の初夏の風景です。
いつも大変精力的なNさまのお作品です♬
これはセンダンの木ですね。
さらさらした葉っぱが特徴的です。

空の色が初夏らしく
雲も自然な感じです。
下草に映る木漏れ日が大変綺麗です。
向こうにまで続く橋の遠近感、川面の煌き
何もかも穏やかに収まっております♬
清々しい初夏の川辺であります!

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お次はIさま
目がお悪いのに精いっぱいかんばって下さっております。
あまり細かい作業は避けて
なるべく大きくとらえて制作できるように心掛けております。
秋明菊は日本画らしいモチーフです。
背景にも白を入れることで一層雰囲気が出ました。
柔らかい茎の感じもよく出ています!
お品のよい色あいです!

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最後はKさま
青味のある不思議な色味がKさまの特徴です。
全体的に青いオーラを放っているような印象があります。
最近地道にスケッチをされるようになり
形のとらえ方にも安定感が出てきました。

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輪郭をほそくくくって
さらに青を掛けてみました。
独自の世界観を追求するために
丹念に試行錯誤を繰り返されるご様子に
いつも感心いたします・・・

ではでは
来月も皆さまお元気でお出かけくださいませ!
寒くなる前のひと時
気候の佳いうちに私も制作に励もうと思います。




# by akikomoriya | 2019-10-22 16:41 | SBS学苑 日本画教室